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なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

「人材」「人財」の本当の意味

社員を大切にしている会社は「財」の字を使う?

「社員は材料ではなく、財産として扱って大事にしているんです。だから部署名を人財開発部にしているんですよ」

とか、

「わが社は社員を財(たから)と思って経営してます」

という話を最近よく聞くようになりました。

部署名も、人財開発部とか、人財採用チームなど、「財」の字を使う企業が増えているようです。

こういった名称を使用している企業の多くは、

人材=使い捨てにする材料

人財=財産のように大事にする

という理解のようです。

しかし、この使い方は本当に合っているのでしょうか?人材と人財の明確な違いが分かりますか?

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人材=人を材料と見る、は間違い

人材と人財の違いを明確にするために、国語的な意味人材マネジメントの歴史の2つの観点から見ていきましょう。

人材の国語的な意味

まずは人材の意味を国語辞典で調べてみると、

才能があり、役に立つ人。有能な人物。人才。「_を求める」

言葉の意味からは材料・使い捨て、というニュアンスはないことが分かります。

「材」は、才能の「才」と同じ意味を持つようですね。

人材マネジメントの歴史から人財の意味を探る

日本の人材マネジメントは大体欧米のトレンドの数年遅れできます。

人材、人財、という言葉も海外から輸入された概念を和訳したものなので、元の英語を見るとニュアンスを理解しやすいです。

人 Personnel Management

単純な労務管理の時代。モノを作れば売れたので、従業員にいかに時間とおりに、効率よく働いてもらうかが重要だった。

戦略論でいうとポーターのポジショニング戦略の時代。

人材 Human resource

人を活かすべき対象として認識するようになった。

仕事が単純労働から複雑な労働に変化し、ポジショニング戦略だけで勝つにも限界がきて、人をどう活かすかが開発力、生産力、営業力などに影響するようになった。

モチベーションマネジメントもこの頃からで、人を使い捨てにしようとかのニュアンスはない。

人財 Human capital

資本としての従業員。Human resourceとの違いは、人を投資対象として見るかどうか。教育等のコストをかけることで、自ら稼げる人に育てる意図。

(最低限の技術習得に必要な研修等は「投資」のニュアンスとはやや異なる)

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こうして歴史を見てみると、人材=使い捨てにする考えでけしからん、というのは大きな誤りであることに気づきます。

財(たから)のように大事にする、というウェットなニュアンスではなく、会社として勝ち抜くためには投資対象としてみる必要が出てきた、という経緯で生まれたのが Human capital=人財 だったのです。

正しく使えば、正しく伝わる

もちろん、財の字を使ったほうが伝えたいニュアンス・想いが伝わるよ、ということであれば自信を持って使えばいいと思います。

特に、わざわざ「財」の字を使う会社は従業員に対する何かしらの想いを持っているはずでしょう。

その際、上記のようにその言葉が使われるようになった歴史や背景を理解しておくと、魂のこもった本当のメッセージになるのではないでしょうか。

(番外編)人財、人材、人在、人罪

余談となりますが、「人材」「人財」の他に更に2つのジンザイの分類があるようです。

仕事理論 - 人材、人罪、人在、人財の考え方 の解説が分かりやすいですね。

このサイトによると、

・人材・・・実績はないけど成長が期待できる人。普通の人
・人罪・・・実績もないし、成長も期待できない人。企業的にはお荷物
・人在・・・実績はあるけど、それ以上の成長が見込めない人
・人財・・・実績もあり、成長が期待できる人。企業的に欲しがられる人

ということらしいです。

うーん、うまいこと考える人がいるものですね。