なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

賞与(ボーナス)がないほうがいい会社

6月です。賞与(ボーナス)の季節ですね。

東洋経済が賞与額の多い会社ランキングを発表してました。やっぱりどれくらいもらえるか気になりますよね。

toyokeizai.net

というわけで今回のブログは賞与(ボーナス)についての豆知識の話です。いつもの暑苦しい主張はありませんので、肩の力を抜いてお読みください。

賞与(ボーナス)が出なくてかわいそう?!

私が新卒で入社した会社は賞与、いわゆるボーナスがなく、月給×12ヶ月が年収でした(月給が3ヶ月ごとに乱高下する会社だったのですがそれは今日は置いておいて)

で、その会社に勤めていたときに友人に、

「ボーナスがないなんてかわいそうだな」

と言われたんです。

はて。

賞与(ボーナス)がないとかわいそうなんでしたっけ?賞与がない会社は、賞与がある会社よりもお給料が安いんでしたっけ?

私の意見としてはむしろ逆。賞与がない会社のほうが労働者にとってはお得なのでは?と考えています。

※人事的にはボーナスより賞与のほうがしっくりくるので、今後は賞与に統一して表記します

賞与(ボーナス)は福利厚生ではなく給与

まず、当たり前中の当たり前ですが賞与は給与です。福利厚生ではありません。

「ボーナス」という言葉から、うっかり「プレゼント的にもらえるもの」という認識をしてしまう人もいるようですが、まぎれもなく労働の対価としての給与であり、会社の売上げ利益から捻出されるものです。

私の友人は、このあたりがごっちゃになっており、「(プレゼント的にもらえるものがなくて)かわいそうだな」という言葉になって出てきたものだと思われます(断っておくと友人の言葉には悪気や悪意は一切ありませんでしたし私も不快に感じたわけではありません)

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賞与は給与。当たり前の確認ができたところで問題です。

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「賞与込みで年収400万円」と「賞与なしで月給のみの年収400万円」 どちらのお給料が高いでしょう?

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いかがでしょうか?

どちらも年収400万円と書いてあるんだから、「同じでしょ」と思っていませんか?

違うんです。ほとんど全ての場合において、「賞与なしで月給のみの年収400万円」の会社のほうが多くお給料をもらえます。

その理由を下記に解説します。

賞与をもらえる条件(算定期間と支給時期)

賞与を満額もらうには2つの条件を満たす必要があります。

それは、「賞与算定期間中、一定以上勤務していること」「賞与支給日に在籍していること」の2つです。

前者については一定以上勤務していないと満額もらえませんし、後者については支給日に在籍していない社員にはそもそも1円も支払われないケースがほとんどです(会社によってルールは様々なので一概には言えませんが)

例えば下記のようなケースがあったとします。

A社・・・賞与は月給の2ヶ月分ずつ支払う。賞与算定期間は6月~11月・12月~5月。算定期間中に入社した場合は日割りで支払う

B社・・・賞与はなし

 A社にaさんが、B社にbさんが、それぞれ年収400万円のオファーを受けて10月1日に入社したとします。

aさんの月給は400万円÷16=25万円

bさんの月給は400万円÷12=33.3万円 です。

aさんは12月の賞与分は日割りで支払われます。算定期間中2ヶ月しか勤務してませんので、6分の2。50万円×6分の2=15万円しかもらえません。
8月の賞与では晴れて満額もらえますので50万円が支給されます。
入社後1年間の収入は、25万円×12ヶ月+15万円+50万円=365万円

一方、bさんは単純に月給×12ヶ月なので、33.3万円×12ヶ月=400万円 です。

このように、1年間で35万円も「賞与なし」の会社のほうが多くもらえます。

算定期間と支給時期を考えると、賞与ありと賞与なしの会社でもらえる金額が同じになるには、「賞与算定期間開始日に入社して、賞与支給日翌日に辞める」人のみ。ほとんど全ての人にとっては賞与なしの会社のほうがお得なのです。

時間外手当基礎給

算定期間と支給時期以外にも賞与なしのほうがお得な根拠があります。

それは、時間外手当 いわゆる残業代が、賞与なしの会社のほうが多くもらえるからです。 

残業代は通常下記のとおり計算されます。

月給÷月間標準労働時間×時間外手当て割増率×残業時間

時間外手当の基礎給は通常月給が使用されますので、年収が同じでも月給が高いbさんのほうがたくさん残業代をもらえます。

月間標準労働時間を161時間、時間外手当割増率を1.25、残業時間を年間100時間で計算すると、

(aさんの年間残業代)

25万円÷161時間×1.25×100時間=19.4万円

(bさんの年間残業代)

33.3万円÷161時間×1.25×100時間=25.6万円

100時間の残業で6万円強、賞与なしの会社のほうが多くもらえるのです。

まとめ
  • 年収が同じ場合、「算定期間」「支給時期」「時間外手当基礎給」の3点から、賞与がない会社のほうが多くお給料をもらえる

 

その他の賞与(ボーナス)の特徴

上記のような、明らかに賞与なしの会社のほうが得をすること以外の賞与の特徴にもオマケで触れておきます。

支給額に弾力性がある

賞与は業績と連動させるケースが多いので、支給額はその年の業績に大きく左右されます。大きな利益が出ていればたくさんもらえますし、業績が悪ければ支給なしという場合もあります。

一方、月給(基本給)は一度上げたら下げづらいことから、業績が良いからといって一度に大きく上がることはあまりありません。

業績がグングン伸びている会社の場合には、賞与がある会社のほうがたくさんもらえるかもしれません。

貯金しやすい

会社は全く関係なく、個人のお金の使い方の問題ですが、傾向として賞与があるほうが貯金はしやすいのかもしれません。

賞与なしの会社に比較して月給は安いので、毎日の生活が質素になりやすいからです。賞与が出たら少しだけぜいたくして、後は貯金、ということができれば賞与ありの会社のほうが計画的に貯金しやすいかもしれませんね。

皆さんは、賞与ありの会社となしの会社、どっちがいいですか?