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なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

人工知能の発達が人材業界に及ぼす影響

採用 転職

ソフトバンクのPepperくんの一般販売が始まりました。価格は税込み19万8000円(+月額の維持費)。頑張れば手の届く価格。割と真剣に欲しいです。オフィスに購入(雇用?)する会社もたくさんありそうですね。時給1,500円で雇えるらしいですし。

www.softbank.jp

という訳で(?)今回は人工知能(AI)の話。といっても技術的な考察は私にできませんので、人工知能の発達によって人材業界がどうなるのか、勝手に考察してみようと思います。

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次々に登場する人工知能によるマッチングサービス

人工知能を用いた人材サービスは既にいくつか出ています。

↓海外のHR×AIサービスは下記にまとまっています↓

すでに勃興?HR×人工知能領域サービス6選! | リクルーティングの世界

国内でも、ビズリーチのキャリアトレックや、アトラエ×ブレインパッドのTalentbaseなど既にサービス化されているものがあります。

サービス化されていないものでも、groovesが人材採用領域における人工知能やビッグデータ解析技術の活用に関する研究を行う「grooves HRTech 研究所」を設立するなど、ホットなニュースが続いています。

人工知能が発達したら人材紹介会社(エージェント)は不要になる!?

キャリアトレックやTalentbaseの使用感としては、求人数も少なくマッチングの精度はまだまだな印象を受けますが、まだ情報を蓄積している段階。将来的にはマッチング精度が高まってくることが期待できます。

そうなると、人を介した紹介 つまり人材紹介は不要になることが予想されます。人が紹介するよりも、機械がマッチングしたほうが精度が高くなるのであればそこにわざわざ人を介する必要はありません。

人工知能によるマッチングの問題点と限界?

もちろん、それですぐに人材紹介が不要になるわけではありませんし、人工知能だけのマッチングには限界があります。

下記、ジーニアスインターン生のブログによくまとまっています。

www.genius-japan.com

要約すると、人工知能には下記の限界があるので完全代替はできないとのこと。

  • アナログな要素(未経験業務への適性や社風等)へのマッチングができない
  • 信頼感や安心感が得られない
  • 期待値調整ができない

それぞれもっともな意見ではあるのですが、個人的には上記問題点はあまりクリティカルには感じておらず、完全に近い形で人工知能が人材紹介の代替たりえるものになるのではと考えています。

その根拠は下記のとおりです。 

アナログ要素によるマッチングと期待値調整ができているエージェントは少ない

そもそも、人工知能にはできない領域とされているアナログ要素によるマッチングや期待値調整はどれほどのエージェントができているのでしょうか。

データもなく恐縮ではありますが、エージェント・求職者・求人側全ての立場での経験から言わせていただくと、できているのはごく少数といえそうです(体感では

アナログマッチングに気を使っている担当者は10%前後)

アナログ要素のマッチングができていないエージェントがダメだと言いたいわけではなく、大局で見ればそういった機微な部分のマッチングができていなくても成約に至るというのが実情ではないでしょうか。

特に最近は採用市場が活気付いているので、エージェントに相談に行ったら20を超える求人を紹介されて  ( ゚д゚)ポカーン となった方も多いことでしょう。エージェント側も求人が増えすぎて社風まで把握できないという事情もありそうです。

中堅~ハイクラス人材にこそ自動マッチングが活きる

アナログ要素のマッチングや期待値調整も、中堅~ハイクラス人材ほど必要性が薄くなります。

転職エージェントの方はピンとくるかと思いますが、20代中盤~後半の候補者ほど中々決断できずにエージェントが後押しする必要がある一方、ハイクラス人材はスパっと自分で決断できたりします。

中堅~ハイスペック人材ほどエージェントの介在する必要性が薄い理由は下記のとおり。

  • スキルと経験を活かした転職が多い(未経験分野へのポテンシャルというアナログ要素が少ない)
  • 人や社風ではなく、仕事内容や裁量を理由に決断する人材が多い
  • 自分で情報収集して、合理的な決断をすることができる
  • (人によっては)自分の市場価値を把握しているので年収交渉も自分でできる

そして、これらの中堅~ハイクラス人材の紹介は成果報酬も高く企業からの引き合いも強いのでビジネス的に大きなボリュームになります。(平たくいうとお金になります)

 

上記のように、そもそもエージェントはアナログ要素マッチングをあまり行っていない(必要性もあまりない?)、中堅~ハイクラス人材ほどエージェントの介在を必要としていないことから、人工知能が人材紹介エージェントの大部分を代替可能なのでは?と考えています。

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人材紹介で残る分野は?

 未経験・ポテンシャルでの転職支援

上記で挙げたとおり、スキルや経験を活かした転職は機械でのマッチングを行いやすい一方、未経験分野への挑戦となると難しいです。

そもそも転職者本人も何をしたいのか、何に向いているのか分からないケースも多いので、人が介在する価値が十分あるかと思います。

ただし、未経験のポテンシャル採用に人材紹介の手数料を支払うのは採用費として割高ですので介在する価値はあってもビジネスになるかは微妙かもしれません。

公開できない求人

ハイクラス人材でも人工知能に代替しづらいのが、一般に公開できない求人です。

例えば「上場準備責任者」や「リストラ経験豊富なコストカッター」など、世間一般に知られたくない求人の場合は、しっかり人が介在して紹介に足る人材にのみ開示する、という方法が適しています。

そうっいった、本来の意味でのスカウト・ヘッドハンティングを行うことができるエージェントであればこの分野で価値を残せるでしょう。

 

まとめ
  • 人工知能の発達により、人材紹介業は大部分が代替される可能性がある
  • 特に中堅~ハイクラス人材は機械によるマッチングを行いやすい
  • 未経験、ポテンシャル層と公開できないハイクラス求人分野は人工知能に代替されにくい