知らず知らずのうちにお役所仕事になってませんか?
人事として働いていると、現場社員から様々な要望/相談/依頼を受けることがあると思います。
その内容は、
- 開発チームの人員が足りないから新規に採用してほしい
- 新入社員が現場に配属される前に最低限のビジネスマナーは身につけさせてほしい
- 年金についてよく分からないので相談に乗ってほしい
- 有給申請ってどうやるの?
- 電池買いたいんだけどどうすれば?
- トイレの電球切れた
等々、多種多様な依頼/相談がくることでしょう。
中には明らかに自分の業務の守備範囲外の依頼を受けて、「それは私の担当ではありません」「それは総務に言ってください」等と、お役所みたいな対応をしてしまうこともあるかもしれません。
しかしあえて言いますが、人事を含む管理部門において、自分の仕事じゃない仕事はありません。
ここでは、現場社員から見た管理部門の見え方と管理部門としてのあり方について考えて見ます。
現場社員から見ると、人事も総務もまとめて「管理部門」という認識
人事として働いていると、中途採用担当と給与計算担当と資材購買担当が全く別の仕事をしていることを当たり前のように知っています。
しかし、普段営業や開発などの現場で働いている社員からすると中途採用担当と資材購買担当の区別はついておらず、まとめて「管理部門」という認識です。
そんな状態であれば採用担当者にトイレの電球が切れた相談がくるのも当たり前。そういうもんだ、と思っておきましょう。
管理部門(特に人事)は何となく怖い
会社ごとの事情にもよるでしょうが、一般に人事の実態を知らない現場社員にとって、人事部は何となく怖い/近寄りがたい、というイメージがあるようです。査定や人材配置等が行われるので、敵に回したくない部署というイメージがあるのかもしれません。
(『人事部は見ている。 』という恐ろしげなタイトルの本も出版されているくらいです)
そんな怖いイメージを持たれている人事部ですから、相談に来た社員はもしかしたら少し緊張しているかもしれません。
特に大企業では、下記↓のようなことが頻繁に起こっているかもしれません。
年金制度について聞いてみたいことがあったからとりあえず人事のフロアに来てみたけど知った顔もいないし…とりあえず近くの人に聞いてみよう、と思い切って声をかけると、「それは私の担当じゃないんで△△さんに聞いてください」とのこと。そう言われても△△さんが誰か分からないよ…また誰かに聞いてみよう。えっ△△さん休み?じゃあどうすれば…
このような体験をさせてしまっては、ますます人事は近寄りがたい存在と思われてしまいます。
管理部門の仕事は自社を良くすること
営業部門などに比較して、管理部門は数字の目標を立てづらいです(無理に立てるべきでもないでしょう)。だからこそお役所仕事にならないように、管理部門の社員は自身の職務範囲を曖昧に捉えておくべきだと考えています。
管理部門の使命を一言で言うと、自社を良くすることのはずです。それであれば、人材採用もトイレの電球交換も等しく自社を良くするための仕事であり、自分の仕事じゃない仕事なんてないはずです。
もちろん役割分担はあるでしょうし、自分では対応できない依頼もたくさんあるでしょうが、上記のような理念/考えを持っていれば、「私の担当じゃないんで」などというホスピタリティに欠けた対応にはなりえません。
先の例で言えば、「△△さんのところまで案内し事情を説明する」「△△さんがいないのであれば用件を聞いて緊急かどうかを判断し、いつまでに対応できるかを伝えたうえで△△さんに連絡する」などの行動がとれるはずです。
長期的に見ると自分がやらないほうが良い仕事はある
とはいえ。中には、今のところ誰もやらないから自分が対応しているけれど、長期的に見れば自分がやらないほうが良さそうな種類の仕事もあります。
自分がやらないほうがいい仕事をなあなあでやり続けるのは決して会社のためになりませんので、自分が対応しなくてもいいような仕組みを作るところまでが自分の仕事だと心得たいものです。