新入社員にビジネスマナーを「教えた」ではなく「教わった」話です。
新入社員がやってきた!研修どうする?!
2016年4月1日、フィードフォースに新入社員が10名入社しました。
正社員45名の会社に、社会人経験のない新卒社員が10名入ってくるのはかなりのインパクトです。この日がフィードフォースの転機となるのは間違いありません。
入社5日目の新入社員にビジネスマナーを教えてもらった
ほとんどの会社が新入社員向けにビジネスマナーの研修をすることと思います。社会人となる以上、社内外問わず失礼のない言動ができることはとても重要です。
しかし、ただ聴いているだけの講義ではつまらない上に身になりにくいです。とはいえ、マナーを教えないわけにもいかない…と考えた結果、新入社員にビジネスマナーを教えるのではなく、教わることにしました。
私がやったことは、4月1日の入社式後に新入社員に下記を告げただけです。
「4月7日に私に顧客訪問時のビジネスマナーを教えてください。形式は問わないけど、何も知らない新人が聞いてもマナーを守れるように」
新入社員たちは、どうすればビジネスマナーをうまく教えられるか自分たちで考え、調べ、準備を進めてくれました。
そのときの様子は下記参照↓
新卒入社5日目の社員に教わったビジネスマナー研修の内容
実際に講義してもらった内容が下記です(一部加工)。内輪を褒めるのもアレですが、想定以上にクオリティが高くてツッコミどころがほとんどありませんでした。
とおりいっぺんの教科書的マナーだけでなく、イレギュラーな状況やリアルな場面が想定されていたのが特に良かったです。
(教わったことの抜粋)
「遅刻してしまう場合はすぐに先方に連絡すること。その際、二重の遅刻とならないよう到着予定時刻は余裕を持って伝えること。遅刻の罪悪感からつい早めの時間を言ってしまいがちなので注意する」
「朝の電車は遅延が多いので昼間の外出よりも更に余裕を持って出発すること」
講義の中では、名刺交換のやり方を実演で教わる場面もあったり引っ掛けのクイズがあったりと、ただ淡々と説明するだけでない工夫も見られました。
新入社員が人事にビシネスマナーを教える研修のメリット
新入社員にビジネスマナーを教える研修をやってみて、想定以上に良かったなと感じています。メリットは下記の3つです。
教わるよりも教えたほうが身になる
これが一番大きいのですが、同じ内容を教わるよりも教えたほうが断然身になります。
上記の内容を調べる過程・資料を作る過程・うまく伝えられるように練習する過程を通して、普通にマナーを教わる何倍も学習できたことと期待しています。
他先輩社員を巻き込んでいた
私から具体的な指示は出さなかったのですが、上記の講義資料を準備する際は多くの先輩社員の力を借りていたようです。
後から聞いたところによると、下記のようなプロセスで資料作成・発表準備をしていたとのこと。
- パートごとに役割分担してマナーを調べ、粗い資料を造る
- 資料がある程度できた時点で先輩社員(入社2年目)に見てもらいフィードバックを得る
- フィードバックをもとに資料を修正する
- 修正した資料を別の先輩社員(入社5年目)に見てもらいさらにフィードバックを得る
- フィードバックをもとに資料を修正し、発表練習
年次の違う先輩社員にタイミングをずらして協力してもらう念の入れようは、「やるな」と感心してしまいました。
チームで成果を出すこと・人の力をうまく借りること・社員との交流の大事さなど複数のことを言葉ではなく実体験で学ぶことができたようです。
先輩社員の刺激になった
上記のとおり、「人事にビジネスマナーを講義するので、アドバイスをください!」と社員へお願いする新入社員。
お願いされる側にとってはかなりのプレッシャーです。間違ったことを教えれば新入社員による講義がうまくいきませんし、教えた側が悪いということになりかねません(しかもそれが人事に知られる笑)。
また、マナーを教える側のマナーがなっていなければ先輩社員としてカッコがつきませんから、社内に良い意味での緊張感が生まれたように感じます。
参加者が主体的に学ぶ姿勢を持てる研修づくり
人事にとって永遠の課題である育成・研修です。私自身まだまだひよっこなので、偉そうなことは何も言えませんが、やはり参加者が主体的に参加できる仕組み・仕掛けを作ることが人事にとって重要だと感じています。
その意味で、学ぶ本人にとっても周囲の社員にとってもプラスになる、「研修を自分たちでする研修」は1つの解になりそうだな、と感じています。
実は去年も同じようなことをやっていました↓
彼らの成長が楽しみです!