なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

メディア経験ゼロの人事がオウンドメディアを立ち上げるまで

昨年、気づけば自社の広報オウンドメディア work plus の立ち上げ責任者をしていました。
わたしもメンバーもメディアの立ち上げ・運営経験はゼロ。そんななかでどのようにメディア立ち上げに至ったか、立ち上げのためにやったこと・感じたことを備忘録として残します。

何故オウンドメディアを立ち上げたか

一言でいうと、自社のことをもっと広報したかったから。
もう少し正確にいうと、これまでも Wantedly フィードで自社広報をしていたけれど、せっかくの広報活動を Wantedly という他社媒体の中でやるのではなくて、自社メディアとしてやりたかったから。
Wantedlyではなく自社メディアとしてやるべきと思ったのは下記の点です。

  • 自社のミッションやカルチャーを発信するにはオウンドメディアのほうがデザインや構成の自由さの点で適している
  • ページにアクセスした人のデータを自社で保有したい
    (Wantedly を使う以上、ページにアクセスした人のデータは Wantedly が保有することになる)

逆に、Wantedly を使わなくなることのデメリットは Wantedly サイトからの流入がなくなることだったわけですが、調べてみると Wantedly サイトからの流入は10~15%程度。Wantedly が検索に弱いことを考えると、じゅうぶんリカバー可能と判断し、オウンドメディアの立ち上げに踏み切りました。

work plus 自体にこめた想いは下記を参照のこと。

workplus.feedforce.jp

採用広報のオウンドメディアといえば、なんといってもメルカリさんのメルカンが大先輩ですね。立ち上げにあたってもかなり参考にさせていただきました。

mercan.mercari.comメルカリさんは、メルカンのためにわざわざ他社からメディア編集長を採用してメルカンを運営しているという噂を聞いたことがあります。すごい。

一方、work plus 立ち上げメンバーは下記のとおり。

  • なべはる・・・他の人事業務と兼任。個人ブログは運営しているが…
  • メンバーA・・・広報業務と兼任。メディア経験なし
  • メンバーB・・・営業と兼任。メディア経験なし
  • メンバーC・・・営業と兼任。メディア経験なし

全員が兼任!かつメディアの運営経験なしという布陣。
このメンバーで、オウンドメディアやるぞ!と決まったのが2017年の10月でした。そこから、どのようにしてメディア立ち上げが実現したかを時系列で追ってみます。

コンセプト決め

広報オウンドメディアと書いてきましたが、当初は「広報ブログ」をやりたい、という話をしていたように思います。

ただ、議論を重ねるうちに「ただの広報ブログでいいのか?」「採用成功のために広報ブログを書く、という安直な気持ちで続くのか?伝わる記事が書けるのか?」などの疑問がわいてきました。
その結果、「採用したい・広報したいという気持ちの前に、会社として伝えたい何かがあって、それを広めるためのブログにするべきだ」という結論に。
会社として伝えたいことは何か、と考えればそれはやはりミッションの”「働く」を豊かにする”こと。であれば、「働く」を豊かにするためのメディアを立ち上げよう!という流れでコンセプトが決まりました。

コンセプトが決まってからはあとはやるだけ、一気に物事が進みました。

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メディア選定

前述のとおり、Wantedly で継続してフィード記事を書くという選択肢もありましたが自社メディアにすることに決定。
いろんな選択肢がある中でも、すでに社内で他チームが利用していたはてなブログで立ち上げることになりました。

デザイン・レイアウト決め

コンセプトからデザインやレイアウトイメージを決めていきます。
はてなを利用しているので、レイアウトはそこまで悩まなかったのですが問題はデザイン。
社内のデザイン・コーディング担当のメンバーと一緒に進めたのですが、何しろメディアもデザインも経験がないメンバーなのでどう依頼すればいいかも分からず要件がふわっふわ。
結局、デザイン担当のメンバーがいい感じに汲みとってくれてお気に入りのデザインになったので結果オーライでしたが、ヘタしたらここで頓挫していた可能性のある反省ポイントでもあります。

記事執筆

ココは今のところとてもスムーズ。
執筆ルールは、「メディアコンセプトに合致していること」「読んで傷つく人がいないこと」の2つだけ。
メディアコンセプトが明確なので「このネタはあり/なし」で悩むことはほとんどありませんし、記事のアイデアもどんどん出てきます。「採用広報ブログやろう」のふんわりテーマで始めていたらここまでスムーズじゃなかったと思います。

目標の設定

いくつかの記事などを参考にして、半年間は PV を追わずに記事更新数を目標にして、半年後から PV やそこからの応募数をみていくことにしました。
このあたりはやりながら改善ですね。

 

こうして、無事に work plus が立ち上がりました。やるぞ!と決めてから約2か月。
メディアが成功するかどうかはこれからの頑張りにかかっているわけですが、兼任メンバーかつメディア運営未経験者のみで立ち上げにこぎつけられたのは、立ち上げメンバーのチーム力を感じられてとても嬉しかったです。

やってみて気づいた、人事の仕事の広がりと楽しさ

こうして、メディア立ち上げという経験をしてみた気づいたこと・感じたことがいくつかあります。

人事の仕事の選択肢が広がっている

数年前なら「自社にマッチした人材を採用する」という目的達成の手段に「オウンドメディアを立ち上げる」という選択肢は思いつきもしなかったと思います。
今ではメディアやインターネットの普及や、簡易にブログを作ることのできるツールの普及で、わたしのようなふつうの人事がふつうにメディアを立ち上げられるようになったのだなー、としみじみ思います。
これからもこういった、「少し前では考えられなかった」手法が次々に出てくるんでしょうね。

何故やるのか、が大事

こうして振り返ってみると、メディアのコンセプト決めが重要なポイントだったように思います。
特に今回は、全員が兼任メンバーでリソースを work plus だけに使える状況ではなかったのでなおさら。「このメディアは何のために存在するのか」を明確にしたことで仕事が一気に進みやすくなったように思います。

新しいことに試行錯誤するのは楽しい!

いやもう、ほんとに楽しいです。
社内にメディア経験者がいなかったわけですが、世の中的に見ても採用広報メディアの成功経験者なんて数えるほどしかいないわけで。
そんな中なので、自分たちで仮説を立てて試行錯誤していくしかないわけなのですが、その過程はものすごく楽しかったです。
自分はこういう種類の仕事が好きなんだなー、と改めて認識できたという意味でもとても良かった。

個人ブログ書いてて良かったー

アウトプットの練習に、と始めたこのなべはるブログも気づけば100記事以上を更新しています。
work plus で利用したのも同じはてなブログということもあり、どんな設定をすればどんな感じになるのかが何となく分かっていたこと、記事を書くうえでのコツみたいなものが自分自身に蓄積されていたことはかなり大きかったです。
個人ブログを始めたときは、まさか自分がメディア立ち上げをすることになるとは思いませんでしたが、人生何が役に立つか分かりませんね。まさにプランドハップンスタンス。

 

以上、work plus 立ち上げの備忘録でした。
ちなみに、work plus となべはるブログのすみわけについてですが、work plus は会社オフィシャルな取り組みの紹介を、なべはるブログはその舞台裏や人事視点での解説という感じでやっていきたいと考えています。

これから、work plus もなべはるブログもどうぞよろしくお願いします(´・∀・`)ノ