なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

大企業からベンチャー企業へ転職して1年で感じていること

今の会社に転職してちょうど1年が経ちました。はてなブログのトピックが「2015夏の人事」ということもあり、せっかくなので振り返ってみようと思います。

大企業からベンチャー企業へ転職した理由

前職の概要は下記のとおり。

従業員数:2000名
平均年令:42才
事業内容:業務システム開発。いわゆるSIer
担当業務:新卒採用担当、人事制度ちょっぴり
在籍期間:4年半

そして現職概要は下記。.

株式会社フィードフォース|feedforce Inc.
従業員数:30名(入社当時)
平均年令:32才
事業内容:マーケティングサービスの開発
担当業務:人事部立ち上げ、新卒・中途採用、制度企画、その他何でも
在籍期間:1年(在籍中)

従業員2,000人の会社から30人の会社へ転職した理由はただ1つ。

より経営視点で人事の仕事をしたかったから。

前職でも頑張って役職を上げていけば経営に近い仕事に携われた可能性もありましたが、どんなに最短で出世してもそういった仕事ができるのは40才前後。
それでも40才になってそういう仕事ができるならいいけど、もし40才手前で会社がなくなってしまったら、「大した経験もしていない40才のおれ」が社会に放り出されることになります。
自分の力不足で出世できないのは仕方ないから我慢できるけど、自分の力とは関係のない要因で自分の人生が決定的に左右されるのは我慢できない、と感じて転職を決意しました。

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大企業で働くメリット

ベンチャー企業で働く選択をしたわけですが、大企業だから経験できたこと、良かったこともたくさんありました。

福利厚生が充実している/オフィス設備が充実している

やっぱり大企業だけあって、福利厚生やオフィス環境は優れていました。
福利厚生だけでも、家賃手当て・ローン手当て・扶養手当・年金退職金制度・出張手当・食費手当て等々…山盛りでありました。
きれいなオフィスに什器、喫煙室に休憩スペースにレーザープリンターと、設備面で不満を感じたことはなかったです。
一方、以前書いた記事「通勤手当は何のため?福利厚生の意味を考えてみた」にも書いたとおり、メッセージ性の強い福利厚生制度はあまりなかったように感じました。

人生の先輩がたくさんいる/将来の収入が読みやすい

業暦50年、平均年令42才の会社でしたから、人生の先輩はたくさんいました。
中でも、新卒で入社して管理部門一筋30年弱の大先輩の定年退職の場に立ち会えたのはとても良かったです。
正直、今の私には同じ企業で30年勤めあげる心境は想像すらできません。そういった場に立ち会えるのは歴史のある大企業ならではでした。

また、職場内に各年令の先輩上司がたくさんいますので、どのくらいの年令でどの程度の収入を得られるかのイメージがつきやすいというのも、将来設計をする点では良かった点でした。

大企業ならではの人事課題に直面することができた

大企業を経験して特に良かったと感じているのがこの点です。
課題の一例を挙げると、

  • 年功賃金から実力主義の賃金へのシフト
  • 定年後再雇用
  • 労働組合との春季交渉
  • 中年社員のスキルアンマッチ などなど

どれも一定期間優良企業として成功してきたからこそ起こる問題。この問題の片鱗だけでも経験できたのは人事の経験としてとても貴重でした。 

ベンチャー企業で働くメリット

ベンチャー企業に転職してみて、改めて良かったと実感しているのは下記です。

裁量が大きい/経営に直結した仕事ができる/自分の頑張りが組織の成長に直結する

何しろこれまで人事部がない状態で入社したので、何をするにも自分しだいです。自分がやらなきゃ誰がやる、という状態なので「裁量の大きさ」という言葉を意識することすらなくなりました。

また、組織的な課題のほとんど全てが人事に関わるものなので、経営に直結した仕事をしていることを実感することができています。
自分が頑張れば会社が成長するし、自分がダメだと会社の成長スピードも鈍化してしまう…自分の行動が組織への貢献に直結しているので、プレッシャーがあると共にやりがいを感じやすいです。

新しいこと、チャレンジが奨励される

個別の企業にもよると思いますが、大企業とベンチャー企業では、新しいことに対しての捉え方が全く異なります。
現職では、何か新しい取り組みには「まずやってみよう」という文化が浸透しており、新しいチャレンジをドンドンやりたい自分にはとてもやりやすいです。
新しい企画を通すときに課長と部長と事業部長と本部長の決済をもらっていた前職とは雲泥の差です。
最近知ったのですが、こうした新しいことをどんどん現場の判断でチャレンジしよう、というのを言葉にすると「許可より謝罪」というらしいです。下記けんすうさんのブログはものすごく共感します。

blog.livedoor.jp

経営陣、従業員が勉強熱心 

これも企業ごとの差があると思いますが、やはりベンチャー企業の社員は主体性が高く、勉強熱心な人が多いように感じます。
それぞれの社員がそれぞれの領域で情報収集やスキルアップを怠らずに専門性を伸ばそうとしているので、自分は人事の領域で専門性を伸ばして会社に貢献しようという気持ちに自然になります

その会社が嫌になったから転職するわけではない

↓の記事にあるように、転職というとネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかと思います。

economic.jp

しかし、上記に挙げたとおり私自身、前職にも現職にもそれぞれ良いところがあると認めたうえで転職しています。
勤めている会社が嫌になった、嫌いになったという理由ではなく、自分の人生設計とその会社の方向性を照らし合わせたうえでより良いと思われる選択をしたに過ぎません。

安易な転職は不幸な結果に終わる可能性が高いですが、キャリアの選択肢として転職が当たり前にある状態のほうが企業にとっても個人にとっても健全なのでは?と考えていたりします。

という訳で(?)フィードフォースでも人材絶賛募集中です。興味のある方はご連絡ください。※ステ(ルスされてない)

recruit.feedforce.jp

追記)

転職して2年経った時点のブログも書きました。

nabeharu.hatenablog.com