なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

タレントマネジメントシステムに求める要件

自社の社員数も70人に迫り、そろそろタレントマネジメントシステムを導入しようかと検討しているので、その検討ポイントを自分用メモとしてまとめました。

自分用のメモではありますが、これからタレントマネジメントシステムの導入を検討している方にも参考になれば幸いです。

↓採用管理システム検討時の記事↓ 

nabeharu.hatenablog.com

拡大しつつあるタレントマネジメントシステム市場

採用管理システムほどではないにしても、タレントマネジメントシステムもクラウド型のサービスが一般化しつつあります。

it-trend.jp

価格帯はピンキリですが、私の会社のような従業員数100名以下くらいの規模で使うと、数万~十万円 / 月 くらいが相場感でしょうか。
各社によってサービスの思想や機能の特徴に違いがあるので、何を目的に、どんな機能が必要かを言語化しておこうと思います。

タレントマネジメントシステムで実現したいこと

まずは、タレントマネジメントシステムの導入に何を期待しているかをまとめてみます。大きく分けると、「人材管理」「継続的メンバー支援」「スムーズな評価」の3つです。

人材管理・組織

まずは管理・情報の整理蓄積としての機能を期待します。要素としては下記のとおり。

  • 社員情報と配属先、過去の評価などを一元管理したい
  • 組織図を分かりやすく見えるようにしたい
  • 会社のOKR、チームのOKRとその進捗を見える化したい

上の2つについては一般のタレントマネジメントシステムの基本機能で備えているとは思うのですが、OKRベースの管理手法に対応している国内のシステムは今のところほとんど見つかっていません。
↓OKRについては下記参照↓

hiromaeda.com

1on1Mtgによる継続的メンバー支援

私の会社では、マネジャーとメンバーの1on1Mtgが週1~隔週で行われています。
現在はOKRをベースとしたマネジメントに移行中で、うまくいけば1on1MtgでもOKRを基にメンバー支援が行われるようになります。
こういった支援がよりスムーズにするため、システムには下記が求められます。

  • メンバーごとのOKRの進捗を管理したい
    マネジャーもメンバーも、1on1Mtgの場でシステムを見ながらOKR進捗や今後のアクションプランなどのコミュニケーションができるようにしたい
  • 1on1Mtgによるメンバー支援とフィードバック内容を記録蓄積したい

OKRも1on1Mtgの面談結果蓄積についても、対応している国内のシステムは見たことがありません(泣)。
↓1on1Mtgについては下記参照↓

diamond.jp

スムーズな評価

上記で蓄積したデータを評価にスムーズに反映されるようにしたいです。
半年や1年に1度、マネジャーが半年も前のことを思い出しながら評価をひねり出すのではなくて、日常的に実施している1on1Mtgの内容を蓄積していくことのほうが、メンバーにとっても納得感があり、マネジャーの評価負担も軽減されると考えています。
となると、タレントマネジメントシステムに求める要件としては下記のとおり。

  • 上記で蓄積された1on1 Mtg の結果の蓄積が半期ごとの評価にいい感じに反映されるようにしたい
    (「いい感じに」の言語化がまだできていないです)

1on1Mtgの結果を蓄積していくシステム自体がないので、ましてやそれを評価に転用できるシステムにはもちろん出会ったことがありません。

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非日常の評価ではなく、日常的継続的メンバー支援がスタンダードに

タレントマネジメントシステムに求める要件を改めて言葉にしてまとめてみると、今時点で対応できるシステムはなさそうだな、という結論になりそうです。
(もし上記要件があてはまるシステムをご存知の方は教えてください!)

様々な文献、有識者の見解、先進企業の取り組みを見るに、今後の人材マネジメントは1年に1度の目標管理と評価面談という非日常で行うものではなく、1on1などの日常的な業務支援・育成支援を積み重ねていくという方向性になるのは間違いないと感じています。特に変化の激しい業界・企業においては。

↓9ブロックで有名なGEも、期間ごとのランク付けよりも日常的なメンバー支援に注力をしているようです↓

president.jp

現存しているタレントマネジメントシステムは、昔ながらのMBO(目標管理制度)に基づいたもので、メンバー支援というよりは人事の事務作業を減らすという思想で生まれているものが多いように感じます(それが悪いということではないです)
上記で述べたような、1on1Mtgをベースとした継続的日常的なメンバー支援をスムーズにする思想のサービスも今後きっと生まれるはずだと信じています。
自社のマネジメント思想にフィットしたサービスを使うことが一番で、フィットしないサービスを利用して運用でカバーとかはできるだけ避けたいと思っているので今時点ではシステム導入は様子見でいます。

余談になりますが、クラウドサービスを選ぶ際は機能や価格ももちろん大事ですが、そのサービスの思想も同じくらい大事だと考えています。
採用管理システムの選択の際には思想に共感したことも選択の大きな理由の1つでした。

nabeharu.hatenablog.com

採用管理システム同様、タレントマネジメントシステムについても「コレに決めた!」と言える日がきたらまた記事にしたいと思います。