なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

採用活動の母集団は質と数のどっちが大事なのか問題について、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの

3月になって、大手ナビの本エントリーが本格したことを受けて、今回は採用活動ネタです!
記事タイトルは  AKB48 の『鈴懸なんちゃら~』のパクりリスペクトでございます。

採用活動の母集団形成でだいじなのは質なのか?数なのか?問題について

採用活動をやっていると一度は考えるこの問題について、ちょっと考えてみたので記録に残してみます。

まず前提としてですが、多くの企業の採用活動(特に新卒採用活動)は母集団形成から始まります。 

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採用活動ファネル

HRog 【採用動画特集#01】新卒採用プロセス別に見る、動画の有効活用方法 より引用

上記のように採用ファネルを設計し、10人採用するためには50人と面接する必要があるから、100人の候補者と接触機会を持とう!と、目標値から逆算して計画を立てるのが一般的なやり方です。

大事なのは母集団の数じゃなくて質だろう派の言い分

しかし、こうした従来の「まずはたくさん人を集める」手法とは違うやり方で注目を集める企業も出てきます。
最近では、メルカリさんが「10人会って10人採る」ことを理想としているようです。 

style.nikkei.com

(上記記事より引用)
「日本の採用は、とにかく分母を増やしますよね。ですが、その会社が好きか、興味がなければ、意味がない。小泉(文明社長)も常に言いますが、10人会って、10人採用するのが一番美しいと思います」

また、母集団をしぼる採用手法で有名なのがライフネット生命さんの「重い課題」ですね。あえて重い課題を課すことで、意欲と能力のある人だけがエントリーする仕組みにしたものです。

style.nikkei.com

Twitter 界隈では、「100人と会って10名採用するなんてムダでしかない。10人とだけ会って、そこに時間とお金を使うべきだ」という意見をちらほら見たりします(そしてけっこういいねがつく)

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母集団の数が大事だよね派の言い分

一方で、母集団の数が大事、という持論を持っている方も多くいます。いちばんに思いつくのが、ビズリーチさんの南社長。

logmi.jp

採用力 = 面接数 という分かりやすく南さんらしいメッセージ。良い人を採用するためにはとにかく会いまくる!この記事によると、南社長は5年間で1300人と面接しているそうです。めちゃくちゃ忙しいであろう社長が、1年で260人と面接してるんですね、すごい。
ほかに、DeNA の南場さんも当時はめちゃくちゃ面接していたと聞いたことがあります。

採用担当者としては、質重視にしたくなりますよね…

母集団形成は質と数のどっちが大事かについて、それぞれの言い分をみてきました。
この記事を読んでいる皆さんはどっち派でしょうか?

私見では、採用担当者として採用実務をやっている方は「10人と会って10人採用する」質重視の採用活動のほうが理想だと思う割合が多いのではないかと思います(逆に、経営者の方は数重視の方が多いように思います)
わたし自身、質重視の思想に憧れた時期もありました。

採用担当者にとって質重視の採用活動が理想的に思える要因はおそらく下記のとおり。

  • 数重視だと必然的に多くの候補者に不合格連絡をしなければならず、採用担当者にとっては気が重い
  • 自分のかける時間の大多数がご縁につながらない方との時間に費やされるので、ムダな時間を使っているのではという気持ちになってしまう
  • 単純に数多くの説明会や面接をするのがしんどい
  • 上記の心情的体力的な理由が重なり、「10人と会って10人採用」が理想的で美しいと感じる

わかる。めっちゃわかる。ただ、この考え方だけだと危険だなと思うこともありまして…。

採用最適じゃなくて、採用担当者最適になってませんか?

採用担当者最適」というのは人材研究所の曽和利光さんの言葉です。 
自社の採用に最も適したやり方ではなくて、採用担当者である自分にとって最も都合の良いやり方になってませんか?と曽和さんは下記の記事で言っています。

www.hrpro.co.jp

曽和さんによれば、採用力を下げる採用担当者の最も分かりやすい見分け方は、「面接を極力避けようとするかどうか」だそうです。

これはなかなかグサっときますね…。
上述したとおり、採用の現場で働いていると、極力自社にマッチしそうな方とだけお会いして、効率的な採用活動をしたいという気持ちは痛いほど分かります。
でもそれって、採用担当者最適であって採用最適ではないんですよね。

下記のツイートのように、大事なのは優秀な方を採用することであって、質や効率化を重視するあまり、本来自社にマッチする方を途中の選考で不合格にしてしまうのはものすごい機会損失です(そしてその機会損失は目に見えないので、失敗に気付けない)

やや気恥ずかしい結論のようなもの

というわけで、採用活動の母集団問題について、色々な方の意見を取り上げて考えてみました。
ここまで考えてみたうえでのわたしの結論のようなものは下記のとおりです。

  • 質なのか数なのか?に絶対的な正解はなく、自社の採用にどちらが適しているか?の戦略の違いでしかない
  • 質 ⇔ 数 の二元論ではない。グラデーションのあるおはなし
  • 採用の現場で働いていると、「採用担当者最適」したくなりがちなので気をつける(経営者の立場からすると、現場が「採用担当者最適」をしがちだと頭に入れておく)
  • いまのところのわたしの意見としてはどちらかというと数のほうが大事だと思う
    「会って話してみないと分からない」ケースがあまりに多すぎる(特に新卒採用ではその傾向が顕著)

わたしからは以上です!
記事タイトルのとおり、玉虫色の結論になりましたがわたし自身は議論を整理することでスッキリしました。
皆さんはどのようにお考えですか?