なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

社員30人の会社が1年で11人の中途採用に成功した手法

高まる求人ニーズ、加熱する人材獲得競争

景気が上向いていることもあり、中途採用市場が活況です。

有効求人倍率の動向|2015年6月版 - キャリア採用ラボ によると有効求人倍率はジワジワと上がり現在は1.17倍。

ベンチャー界隈では数値以上に人材獲得競争が激化しており各社苦戦しています(そのせいか人材系の営業電話は必ず「中途採用苦戦してますよね?」から始まります)

そんな中、おかげさまで私の所属する会社では年間10名超の中途採用を行えているので、今日はその手法を紹介します。

初めに断っておきますが、ユニークで画期的な採用手法を取り入れているわけではなく(それは今後チャレンジしていく)、正攻法で地道な活動をしているだけです。

1年間で11人の中途採用に成功

私が 現社(フィードフォース) に入社したのは2014年7月。入社から約1年間で採用した中途社員は11人です。

採用した職種は、

  • Webエンジニア
  • インフラエンジニア
  • フロントエンドエンジニア
  • htmlコーダー
  • マーケティング/広報
  • 営業/広告運用 などです。

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中途採用成功に貢献してくれた 転職サイト「Green」

上記で上げた11人中7人が 転職サイト 「Green」 経由での採用です。他社人事や人材企業の方からは「媒体経由では中々採れない」という話をよく聞く中、弊社は中途採用のほとんどをGreenに頼っています(ちなみに私もGreenで現社を見つけました)

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IT/Web業界の求人・採用情報に強い転職サイトGreen(グリーン)

Greenが有用な理由

Green経由での採用が成功した理由を分析してみます。
ちなみにアトラエ(Greenの運営会社)から何かもらっているわけではありません笑

求職者の属性が求める人材に合致している

求人を載せる転職サイトを選ぶ際、色々な評判を気にすると思いますが、一番重要なのは「求める人材がサイト登録者にどれだけ存在しているか」です。

Greenは IT/Web業界のベンチャー企業が主な利用企業であることもあって、同様にWeb業界のベンチャー企業である私の会社にとってマッチする人材が多いです。

Green 公式の発表によると登録者の94.1%がIT/Web業界経験者とのこと。必然的に登録者の年齢層も若手が多いです。

「気になる」「会いたい」ボタンで気軽に接触できる

Greenには、「気になる」ボタンがあります。文字通り「あなたの経歴が気になってますよ」という意思表示を求職者に気軽に送ることができるのです。
企業からの「気になる」が届いた求職者はその企業の求人を見て興味を持ったら「話を聞いてみたい」ボタンを押して興味がある意思表示をします。

逆に、求職者から企業に対して「気になる」の意思表示をすることもできます。その場合、企業からは「会いたい」ボタンでアプローチします。

この、
「(企業から)気になる」→「話を聞いてみたい」
「(求職者から)気になる」→「会いたい」
という流れがスムーズに行われ、気軽に応募ができる点がGreenの優れた点です。

よく知らない会社への本応募は求職者からするとハードルが高いので「話を聞いてみたい」「会いたい」という機能で応募への心理的ハードルを下げてくれているのです。

成功報酬の課金モデル

料金形態についても触れておきましょう。
Greenは初回掲載時に30~50万円支払うと、それ以降はいくつでも、いつまででも求人を載せることができます。
採用内定に至った場合のみ成功報酬で30~90万円(職種や地域により異なる)です
↓料金形態や申し込み方法などは下記参照↓

IT/Web業界の求人・採用情報に強い転職サイトGreen(グリーン)

知名度の低いベンチャー企業の採用では、広告課金型の転職サイトに掲載しても応募が少なく採用につながる保証もないので成功報酬型だと安心です。価格も人材紹介会社より安いですし。
広告課金型転職サイトの一例:リクナビNEXTマイナビ転職en転職 など

応募者増のコツ「地道にちゃんと使う」

私の会社は世間的な知名度はまだまだ低いので、Green(や他の転職サイト)に求人を載せても自然応募はほとんどありません。

ですので、「気になる」「会いたい」「スカウト」機能を駆使してコチラからアプローチする必要があります。実際、Green経由から採用成功したうちのほとんどが「会いたい」や「スカウト」がきっかけでした。

地道に求職者検索

もうとにかくコレに尽きます。地道に地道に検索します。良いかもと思う人には「気になる」ボタン。

求職者が登録条件を全部入力していないであろうことを考慮して、できるだけ緩め緩めの検索条件で1人ずつ見るのがコツです。

ちなみに、「気になる」を一定数送るとサイト内検索順位が有利になるので継続して行うことが重要です。

求職者に合わせたスカウトメール

これもごく当たり前のことですが、スカウトを送る際はテンプレートの文面ではなく、求職者の経験や志向に合わせてカスタマイズして送ることが重要です。1人ずつにカスタマイズして送るのは大変な労力がかかりますが、返信率が全然違います。

Greenは求職者のアクティブ率が高いからか、ベンチャー企業の求人の相性が良いからか、スカウトからの応募率は10~30%とかなり高い印象です(大手転職サイトだと3~5%とかだったりします)

スカウトメールの文面については担当者に反応率の高い文面のアドバイスをもらうといいでしょう。少し古い記事ですが、下記も参考になります↓。

partners.en-japan.com


上記のように、「地道に検索して」「求職者合わせたスカウトを送る」という地味でコツコツ型の活動の結果が採用成功に結びつきました。
急募の求人があるときは、週に数時間は上記の作業に時間をあてて、「登録者全員の職歴書に目を通す」くらいの気合で取り組めばきっと成果は出ると思います。

 

今回紹介したのは、画期的な手法でもスマートなやり方でもなく、正攻法かつ昭和なやり方です。奇抜ではない分、手間をしっかりかければある程度までは成果が出ると思います。

今後は本当の意味でのダイレクトリクルーティング広報をからめた直接採用にチャレンジしていきたいと考えています。それらのチャレンジが成功(あるいは失敗)したらまたブログで紹介します。

 

↓フィードフォース 中途採用絶賛募集中↓

株式会社 フィードフォースの採用/求人 | 転職サイトGreen(グリーン)

掲載・成果報酬無料の求人媒体「スタンバイ」が中途採用市場の常識を破壊する

ビズリーチがリリースした求人媒体「スタンバイ」に衝撃を受けたので興奮さめやらぬまま書きます。

掲載無料、成果報酬ナシの型破りの求人サイト「スタンバイ」

正確には求人サイトではなく「求人検索エンジン」ですね。ハイクラスの人材紹介・ヘッドハンティングに強いビズリーチがリリースしました。攻めますね、ビズリーチ。

jp.techcrunch.com

スタンバイの紹介は上記サイトが分かりやすいです。リクルートのindeedとの違いにまで言及しています。

スタンバイの要点だけまとめると下記のとおりです。

・求職者が職種や勤務地などのキーワードを入力すると各求人サイトに掲載されている求人情報を一括で検索できる(求人情報に特化したgoogle検索のようなもの)
・企業はスタンバイに直接求人を申し込むことも可能
・求人情報の掲載料、採用成功時の成功報酬はすべて無料
・スタンバイの収益源は検索結果ページの「スポンサードサーチ」からのみ

 うーん、これはすごい!これまでの中途採用市場の常識を壊してくれる期待が持てます。

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中途採用ビジネスのモデルが一変する

何がすごいかというと、これまで一般的だった広告掲載型の求人サイトが一掃される可能性を秘めていることです。

広告掲載型の求人サイトとは、文字通り企業が広告掲載費を払って求人を載せるサイトのことです。

リクナビNEXTマイナビ転職エン転職DODAなどが有名ですね。掲載順位やスカウトなどのプランにもよりますが、1~2ヶ月掲載して40~100万円が相場です。

もしビズリーチの「スタンバイ」が目論見どおりに浸透したら、これらの広告掲載型の求人サイトにお金を払って求人掲載する企業が激減します。

なぜか。下記のようなストーリーが考えられるからです。

1.求職者はまず「スタンバイ」で仕事を探すようになる

これまで、求人サイトで転職先を探していた求職者は複数のサイトを同時に利用していました。リクナビNEXTには載っていないけどマイナビ転職には載っている会社もあるので、できるだけ多くの選択肢の中から会社を選びたいと考える求職者は複数のサイトに同時登録せざるをえなかったのです。

しかし、スタンバイで検索すれば複数のサイトの求人情報を一度に調べることができるので「まずはスタンバイで検索してみよう」となるはずです。

私も転職活動時、複数サイトに登録するのが面倒だったのでじげんの「転職EX」を使っていました。

2.企業への応募が増える

例えばリクナビNEXTに広告費を払って求人掲載していた企業があったとします。その企業への応募はスタンバイが広まることによって増えるでしょう(ある程度魅力的な求人であることが条件ですが)

これまでリクナビNEXT登録者のみにしかリーチできていなかった求人が、スタンバイ利用者にもリーチできるようになったので応募が増え、マッチングする可能性も高まります。

3.企業が広告掲載型の求人サイトへの掲載をやめる

こうしてスタンバイ経由からの応募が増えてきたら、その企業はリクナビNEXTへの求人掲載をやめて、スタンバイに無料で求人掲載することでしょう。

求職者がリクナビNEXTからではなくスタンバイから多く検索・応募してくるようなら、リクナビNEXTに掲載するメリットはほとんどなくなります。スタンバイで検索してもらい、スタンバイに無料で掲載している求人を見つけてもらえばいいのですから。

4.ますますスタンバイの利用が広まる → 1へ戻る

こうして従来の求人サイトへの掲載をやめる企業が増えてくると、求職者が求人サイト個別で転職先を探す利便性が下がり、ますますスタンバイの利用が増え、以下無限ループです。

 

このように、完全無料の求人媒体「スタンバイ」は広告掲載型求人サイトというビジネス自体をなくしてしまうポテンシャルを持っていると感じていますし、ビズリーチはそれを狙っているのでしょう。

もちろん、実際にここまでうまくいくかどうかは分かりません。各求人サイトの反撃もあるかもしれません。

どちらにしても、求職者と求人企業の双方が幸せになる、便利で本質的なサービスが評価され、生き残っていくことと思います。

転職を決めるその前に!した方がいい苦労としなくてもいい苦労

5月です。5月病の季節ですね。

という訳で(?)今日は転職の話です。

5月病患者を集めたいわけではないでしょうが、博報堂が期間限定で第二新卒の募集を始めたようです。

www.hakuhodo.co.jp

社会人1~5年目が対象のこと(結構幅広いですね)

新卒で入社した会社に数年勤めていれば、仕事もある程度一人でできるようになり、その会社の良いところ悪いところも見えてきます。

中には、その会社でのキャリアに不安を感じていたり、こんなキツい会社は嫌だ!と転職を検討し始める人もいることでしょう。

私自身、2度の転職を経験していますので、転職自体が悪いことだとは全く思いませんし、転職することでより良い人生を送っている人をたくさん見ています(私自身がそうです。会社が嫌で辞めたことはありませんが)

だから、「石の上にも3年」とか「望まない仕事でも我慢してやるべき」みたいなことはあまり言いたくはないのですが・・・最近、したほうがいい苦労としなくてもいい苦労があるんじゃないかな、と考えるようになりました。

もし現在不満を持っている環境が、したほうがいい種類の苦労なのであれば、本当に転職したほうが幸せになれるのか、考え直してもいいかもしれません。

ココでは私の独断と偏見で、したほうがいい苦労としなくてもいい苦労を分類してみました。

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したほうがいい苦労

できるだけ経験したほうがいい苦労、もしくは一見マイナスだけど長い目で見れば良い経験となりうる苦労が下記です。

仕事の難易度が高い

自分の力量に対して明らかにレベルの高い仕事に取り組まなければならないことがあります。

当然、すぐに成果は上がらないでしょうし、必然的に業務量も増えて肉体的精神的にキツい毎日が続くでしょう。しかし、成長にはそのストレッチが必須ですので、すぐに逃げずに立ち向かいたいものです。

ただし、健康を害するレベルでの長時間労働が継続して起こってしまう場合は例外です。健康第一。

上司がイケてない

短期的に見れば、イケてない上司を持つ経験はプラスになると思います。

なぜイケてないのか反面教師にすることができますし、そういった上司に自分の意見を通そうと試行錯誤することはプラスになります。

健全な組織であれば、本当に無能な上司があなたの上にずっと就くことはないでしょう。しかし、明らかに無能な上司がいつまでも重要ポストについているような組織であれば長く我慢する必要はないかもしれません。

会社の業績が悪い

望んでこの苦労をしたい人はいないと思いますが、短期的な意味では経験してみてもいいかもしれません。会社の業績が悪いときこそ経営者や社員の真価が問われます。

どうすれば業績を回復できるのか、突破口をどこに見出すか、社内の雰囲気が悪くなる中で自分に何ができるのか。会社の業績が悪いからこそ当事者意識を持って本気でこれらに頭を悩ますことができる、という意味で良い経験となることでしょう。

しなくてもいい苦労

苦労する割に得られるものが少ないであろうものが下記です。

会社のビジョンが不明瞭、自分に合わない

会社のビジョンが不明瞭だったり共感できないビジョンのもとで働くことに苦痛に感じる場合、それは我慢せずに新天地を探してみてもいいかもしれません。

そのような環境下ではいくら頑張っても空回りする可能性が高く、そもそもどの方向に向けて頑張ればいいかも分からず、志のある人ほど辛いという状況になってしまいます。

権力・派閥争い、ゴマすり

これらが組織に根付いていて、かつそれを苦痛に感じるのであれば我慢しなくてもいいでしょう。

社内の派閥抗争を読みきり渡り合う力をつけたところでごく限られた環境下でしか役に立ちません。

自分のキャリアプランに合わない 

キャリアプランが明確な方限定です。

会社のビジョンに共感でき、無駄な派閥争いもなく風通しが良い社風であったとしても、長期的に見て自身のキャリアプランと明らかに異なる仕事しかできない、求める成長スピードに遅れてしまう、という場合であれば転職を検討するのも手かもしれません。

ただし、自分にとっては遠回りだったり無駄に感じる経験も、将来どこで生きてくるか分かりません。

そもそも今描いているキャリアプランが本当に確信を持てるものなのかも含めて慎重に判断しましょう。

 

もし現在の会社や仕事に疑問を感じて苦労しているなら、その苦労はしたほうがいい種類の苦労なのか、しなくてもいい苦労なのか、上記を参考にしてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

転職を考えてない人も今すぐ職務経歴書を書くべき3つの理由

何となくそれっぽいタイトルにしてみました。

この時期、TVCMや電車内、SNSなどに転職サイト・求人サイトの広告が多いですね。

↓コレとか好きです↓

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私自身、2度の転職経験がありますので、これらの転職サイトや紹介会社にはお世話になりました。

学生時代の友人は新卒で入った会社を辞めずに勤めている人が多いので、2度も転職をしている私は珍しい目で見られたりします。

ここでは転職の良し悪しは置いておいて、転職を考えている人もそうでない人も、職務経歴書は定期的に書いておいたほうがいいという話です。

職務経歴書とは何か

コトバンクによると、

・これまで自分が経験してきた職務内容や所属していた会社についてをまとめた書類

・転職希望者が採用担当者に提出する

とのこと。

履歴書と違って、自身の仕事内容や成果を詳細に書くことで自分をアピールするのが目的ですね。

転職を考えていない方も、一度は書いてみることをオススメします。一度書いたことのある方は、1年に一度はアップデートをしましょう。

職務経歴書を書くべき3つの理由

1.自分の強みと課題を再認識できる

この職務経歴書、書いてみると意外と難しいです。

まず、「採用したい!」と思われるような職務経歴書を書くには、

  • 自分の仕事内容とその成果を人に分かりやすく説明する
  • そのうえで他者にはない自分なりの強みをアピールする

この2つのポイントを押さえる必要があります。

そのためには、

  • 自分の仕事を客観視する
  • 普段から主体的に仕事に取り組んでいる
  • そもそも成果をしっかりあげている

などなど、普段の仕事をしっかりしていないと、「アピールするものがない!」ということになります。

いざ書いてみると、今の自分に足りないものが明確になったり、1年前の自分から何も成長していないなー、と落ち込んだりと、色々あるかと思いますが、今の自分を見つめなおすのが成長の第一歩!まずは書いてみましょう。

2.市場価値を測ることができる

採用される職務経歴書を書くには、企業がどんな人を必要としているかを把握しなければなりません。

例えば人事としての転職だったら、採用か、育成か、労務か、人事制度か。

採用1つとってみても、新卒か中途か、採用職種は何か、採用手法、採用人数etc...

その中で、どんなスキルや経験を持っている人が必要とされるのか、という市場価値感覚を養うことができます。

市場価値を高めることがいつも正しいことではありませんが、市場価値感覚を持っておくことは転職する気のない方でも持っておいたほうがいいでしょう。

3.いざ転職を考えたときにすぐに行動できる

1つ目の理由でも書いたとおり、職務経歴書を書くのは結構大変です。

最近取り組んだ仕事ならすらすら書けても、5年前の仕事の成果を客観的かつ詳細に書くのは中々難しい。

転職は縁とタイミングです。いざ転職を決意したときにイチから書こうとして時間がかかり、そのせいでせっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。

定期的にアップデートしておけば、思い出しやすい最近のことをだけ修正すればOK。

職務経歴書を書いてみよう

自分のしてきた仕事と成果を振り返り、市場価値を測り、来たるチャンスを逃さないため、職務経歴書を書いてみてはいかがでしょうか。

私自身、1年に一度はアップデートして仕事の振り返り、棚卸しを行っています。

(たいてい、自分はこの1年何をしてたんだとヘコむことになります)

最近では職種別の職務経歴書サンプルなどもありますので、書き方が分からない!という方は参考にどうぞ。