今週のはてなブログのお題が「人生に影響を与えた1冊」なので読書レビューを。
↓紹介する本はコチラ↓
元日本GEのシニアHRマネジャー、現LIXILの人事担当副社長の八木さんの本です。
八木さんは私が最も注目し、尊敬している人事パーソンで、記事タイトルは煽りではなく、真面目に全ての人事部員必読と思っています。
本書の要点
目次は下記の通り
◆第一章 人事は何のためにあるのか
◆第二章 組織の力を最大限に高める
◆第三章 改革の旗を振る
◆第四章 リーダーを育てる
◆第五章 「強くて、よい会社」を人事がつくる
小手先の施策ではなく、経営戦略としての人事を考えるうえで必読の一冊。
創業130年、グループ従業員30万人の「世界で最も尊敬される企業」「最強企業」と称されるGEのDeNAを受け継いだ八木さん唯一の著書。
GE本体の経営や戦略を知るにはジャック・ウェルチの『ウィニング 勝利の経営』を読むのがいいですが、日本人かつ人事の目線で書かれた『戦略人事のビジョン』はより平易に分かりやすく書かれています。
正しいことを正しくやることの凄み
経営戦略としての人事 については私がどうこう言うのも野暮なので、ご自身で読んでいただくとして。
本書から一番強く感じられるのが、正しいことを正しくやることの凄み です。
例えば、八木さんは書内で「年功序列は三ヶ月でなくせる」と断言しています。
そのやり方はとてもシンプルで、「各部門の各年代のキーマンをと面談し、その中で一番仕事ができる人にその部門のトップを任せる」というもの。
中には若い社員が部門のトップに立ち組織がぎくしゃくすることもあるでしょうが、仕事ができる人をトップにすえれば三ヶ月もたてばおさまるとのこと。
これは正しい。ぐうの音も出ないほど正しい論理です。
ですが、このあきれるほど正しい施策を実際に実行することがどれだけ難しいか。納得感の出る報酬体系や既存評価制度の見直し、既存社員・労働組合等への納得のいく説明、実施後の若手マネジャーへのフォロー等々、少し考えるだけでもクラクラしそうです。普通だったら、3ヶ月で実行なんて軋轢が生まれてうまくいかないので数年かけて少しずつ是正を…なんて考えてしまいそうです。
それを八木さんは、正しいことを正しくやればできる と言い切っており、そして実際にGEで、LIXILで実行しています。
そんな八木さんの凄みと格好良さに勇気をもらい、自分の至らなさに気づかされることから、本書を定期的に読み直すようにしています。
特に読み返しているポイント(箇条書き)
以下、特に私が読み返しているポイントを箇条書きで。
- 年功序列は三ヶ月でなくせる
- GEの9ブロック
- 評価は主観
- 組織開発ができなければ人事ではない
- リーダーは希少な存在、だから育てる
- 「俺の会社」と言い切れるような強いこだわりを持つ