なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

戦略人事が重要な今だからこそ、人事オペレーションの改善に取り組むとき

戦略人事の時代きたる

下記の記事を読んで、なんだか高まってきたので書きました。 

www.dodadsj.com

記事によれば、

戦略人事とは「経営戦略に貢献する組織・人事戦略の立案と実行ができること」

労働人口が減少して、働き方が多様化する現代においてはオペレーション人事だけでは不十分で、経営戦略・組織戦略をもとに人事戦略を立案・実行できる戦略人事が重要である、とのこと。

「戦略人事が重要」という議論は数年前から起こっていて、わたしも八木洋介さんの『戦略人事のビジョン』を読んでから「経営に貢献できる人事になるぞ」と決意したものでした。

そんな意気込みで人事の仕事をして数年…。戦略人事が重要という気持ちに変わりはないのですが…だからこそいま、人事オペレーションの改善が必要と感じています。

戦略人事/オペレーション人事

人事はオペレーションがとにかく忙しい

当時社員20数名のいまの会社の1人目の人事として入社して約4年。現在は社員70名、人事はわたし含めて3名。その間いろいろありました。

ベンチャー企業の人事を数年経験した感想は、「とにかくオペレーションが煩雑で忙しい」こと。
業務量が多いというのもあるんですが、やっかいなのは量よりも煩雑さ。守備範囲が広いためにベクトルの異なる業務があちこちに散らばっていることと、業務の性質上取り組む時間を自分でコントロールできないことから、オペレーションをこなすだけで精一杯というのが現実でした。
面接調整・面接対応・入退社手続き・勤怠管理 などの最低限の仕事だけで1日が終わり、1週間が終わる…なんてことも珍しくありません。

なぜ人事がこんなに長時間労働になりがちなのか、まとめた記事もありますので良かったらどうぞ↓

nabeharu.hatenablog.com

戦略にリソースを割くためにも、1つ1つのオペレーション改善を

このままでは、戦略人事どころではない…。戦略に頭を巡らせる時間を作るためにも、まずは人事オペレーションを改善しなければ…ということで、ここ1~2年はオペレーションの改善に注力しています。おそらく、もう1年くらいはオペレーション人事マンを続けます。

ここ2年ほどで改善したオペレーションの一例は下記のとおり。

  • 勤怠管理にジョブカンを導入。
    紙で行っていた勤怠管理をシステム化した。
  • 労務管理に SmartHR を導入。
    労務手続きを簡略化。これまで役所に郵送 or 持ち込みしていた書類が電子申請できるように。
  • 採用管理システムに Talentio を導入。
    候補者情報の Excel 管理から脱却。面接連絡や面接設定を一元化した。
  • 面接日程調整に Skett を導入。
    時間のかかっていた面接官と会議室の空いている時間を探す作業を自動化した。
  • そのほか、業務のマニュアル化などいろいろ。

いろいろな SaaS を利用して、オペレーションが少しでも楽に、かつ属人化しないように努力しています。
使っている SaaS の一覧は下記をどうぞ↓

workplus.feedforce.jp

上述のとおり、戦略人事として経営戦略に貢献するためにも、まずは人事オペレーションの改善が重要です。特にリソース不足のベンチャー企業にとっては。

オペレーションの改善をやってみた経験から、人事オペレーションを改善するにあたっては重要なのは下記の4つ。まだまだ精進です。

  • オペレーションの改善は基本的にトップダウンで進める。オペレーションしている当事者は忙しくて改善の余裕がない
  • トップダウンで進めるといっても、ある程度実務を把握していないと改善はできない
  • SaaS 導入で改善できるものはどんどん導入する。どんどん試す
  • 業務のうち、アウトソースできるものはないかを常に疑う。適切に切り出し、他の人にやってもらえるようにすることが今後重要な能力

余談:オペレーション人事の改善でまだまだ差別化できそう

今回の記事は戦略人事に時間を使うためにも人事オペレーションを改善しよう、という「時間の確保」が趣旨でしたが、ちょっと余談を。
人事オペレーションの改善だけでもまだまだ他社と差別化できそうだと感じています。

例えば、中途採用手法としてはありふれた「転職サイトでスカウトを送る」オペレーション1つとっても下記のような改善ポイントがあります。

  • 自社のターゲットが登録していそうなサイトを選定する
  • サイトの特性、ターゲットのペルソナ、自社の魅力に合わせた求人とスカウト原稿を作成する
  • サイトの特性やファーストビューに合わせて原稿をチューニングする
  • スカウト文面と整合性のとれた選考フローを設計する
  • 返信率などの数値を分析して、原稿をさらに改善していく

正直、わたしの会社も含めて上記をやり切れている会社はとても少ないように思います。逆に言えば、コレをしっかりやり切るだけで採用市場で(ある程度)差別化できるのが現実ではと。
冒頭に紹介した記事でも、「戦略人事とオペレーション人事は優劣の話ではない」「オペレーションにしても戦略にしても、最も経営や事業に貢献するのが大事」と書いてあるんですよねぇ。

 

戦略人事を目指す気持ちは変わっていないのですが、まずはいま必要なことを1つずつやっていこうと思うのでした。