なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

魅力的な求人原稿とは何かを言語化してみる

魅力的な求人原稿の書き方が分からない

中途採用を始める際、必ず自社HPや求人サイトに求人原稿を掲載するかと思います。
あるいは、転職エージェントやハローワーク等に求人票を提出することもあるでしょう。
これらの、求人原稿・求人票を魅力的に書く方法、皆さんはご存知でしょうか?
恥ずかしながら、私は7年以上人事の仕事をしているにも関わらず、よく分かっていませんでした。ぶっちゃけて言うと、これまで「何となく」でやっていました。

このままじゃいかんなー、という気持ちもあり、現時点での私なりの「イケてる求人原稿」とはどんなものかを言語化してみます。
あくまで現時点での私の考えなので、ご意見などあれば是非教えてください。

ちなみに、AIで求人票を採点してくれる「Findy Score」というサービスがあります。適切な文章量や箇条書きの数、不適切な語句を使ってないか等をチェックしてくれるのでオススメです。

findy.us

私の会社では、とりあえずFindy Score を通して指摘された箇所を修正し、80点以上になってから公開するというフローにしています。

とはいえ、Findy Score でできるのはあくまで機械的なチェックのみで、自社の魅力が適切に表現されているかまでは分かりませんので、そこは人の力で行う必要があります。

下記は、私なりに考えた、魅力的な求人原稿の条件です。

ペルソナが明確になっている

当たり前のことですが、ターゲット人材が変われば伝えるべきことが変わります。
最低限、下記項目を明確にしておく必要がありそうです。

  • どんな企業で働いていて、どんな仕事をしているか
  • 何を仕事のモチベーションにしているか
  • 想定される転職理由は何か

特に想定される転職理由を具体的にイメージできているかが重要です。
「大企業のマーケティング部門で実績を上げてきて仕事も収入も満足しているけど上が詰まっているのでマネジメント経験を積めるのは5年以上先になりそう」
とか、
「独学で技術力を身につけた結果、社内で一番技術に詳しくなり頼られる存在になった。好きな仕事はできているけれど今後のスキルアップに不安。自分よりもレベルの高い人と技術についてディスカッションしながら仕事をしたい」
とか。
候補者のキャリアと心情に合わせて自社の勝負できる要素を結び付けられているかがポイントです。

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ペルソナによって求人を分ける

同じ職種の求人であっても、ペルソナが複数になる場合があります。
その場合は、無理に1つの求人にまとめずに複数に分けて求人原稿を作ったほうがよさそうです。複数のペルソナを想定して記事を書いても、結局誰にも伝わらない原稿になってしまいます。

最近の求人サイトは複数記事を出せるタイプのものが多いので、使わない手はないですね。

募集背景がストーリーとして伝わってくる

ペルソナを定めたところで、いよいよ書き始めましょう。
多くの求人原稿のトップ(一番最初に読むところ)には募集背景を書く欄があります。最初に読む重要な箇所にも関わらず、割と無機質に書いてある場合が多くあります。

募集背景の項目では、何を目指しているチームで、どんなことを成し遂げたくて、そのために今どんな状況で、だからこういう人を募集している、と募集の背景がストーリーとして伝わってくると興味を持ちやすいように思います。

悪い例)
事業好調のため人事部を増員します
欠員がでたため補充します

良い例)
"●●"というミッションを実現するために年間で新卒●名、中途で●名採用する必要があります。
現状、人事部は2名おり、1名は中途採用専任。もう1名は新卒採用担当業務と制度企画、教育研修などを兼任している状況です。更なる組織の発展のためより採用を強化するために、新卒採用専任担当者を1名探しています。

この、「募集背景をストーリーで」という点で一番すごいなと感じたのはdivさんの下記の求人。分かりやすいし面白いし、思わず応募しそうになっちゃいました笑。

www.wantedly.com

仕事内容・求める人材・配属先の環境の記載が具体的でイメージがわく

普通に求人を書くとどうしても表現が抽象的になりがちですが、具体的な表記のほうが仕事のイメージが湧きます。

仕事内容

その仕事を通じて成し遂げてほしいこと・期待したいこと・仕事の内容等が できる限り具体的に記載されていると、求職者が自分にマッチしそう/しなさそうという判断をつけやすくなります。

(悪い例)
新卒採用に関する業務全般を担っていただきます

(良い例)
新卒採用活動を通して会社のミッションを達成できる組織を作っていくことを期待します。
「求める人材像の設定」「採用コンセプトの策定」などの企画立案から、「採用イベント登壇」「候補者との面接・面談」「面接調整」など幅広くご担当いただきます。
現在の主な集客方法は逆求人イベント、ベンチャー企業合同セミナーなどですが、その手法に固執していません。より良い手法を自分で企画し、どんどん提案してください。
新卒採用業務以外にも、教育研修や人事制度の企画・整備など、希望しだいで他の人事業務に携わるチャンスもあります。

任せたい仕事の他に、今後のキャリアの広がりについて言及するのも良さそうですね。

求める人材(必要なスキル・経験)

求める人材についても、具体的な表現にできると更に仕事のイメージが湧きやすくなります。

(悪い例)
・新卒採用の実務経験

(良い例)
・採用戦略から企画、立案、実行の経験
・候補者との1対1での魅力付け、クロージングの経験
・構造的面接の実施経験

新卒採用の実務経験だけではざっくりし過ぎているので、こう書いたほうがマッチした人材が応募してくれそうです。

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配属先の環境

入社したらどんなチームで、どんな環境で働くのかも具体的な表現にできると更に良いです。
ついつい、「風通しの良い社風です」とか抽象的な表現使っちゃいがちなので注意が必要です。

(悪い例)
風通しが良く、なんでも言える環境です

(良い例)
人事部は2名で構成されています。
◆マネジャー 30代 男性
制度企画・教育研修・新卒採用を担当
◆メンバー 20代 女性
中途採用を担当
◆今回の募集ポジション
マネジャーから新卒採用業務を引き継いでいただく予定です

採用管理システムにTalentio、タスク管理にBacklog、社内コミュニケーションにはSlackとQiita:Teamを利用しています。業務を効率化できるツールは積極的に活用していきます。
隔週でマネジャーと1on1Mtgを行い、業務支援・成長支援を行っています。

利用しているWebサービスの記載があると、職場の具体的なイメージがわきやすいですね。

求人原稿は自社の社員が書くべき

最後に。色々書いてきましたが、私自身もまだまだ勉強中で、とりあえず今思っていることを言語化したにすぎません。

ただ1つ言えるのは、求人原稿を書くという仕事は非常にクリエイティブな仕事であり、外注するべきではないということです。
ペルソナの設定・自社の魅力の整理・求職者の求める情報と自社の資源の接点を探して表現する...など、どれも自社の社員でなければできないことです。また、内容は日々改善していくものでもあります。

求人サイトによっては執筆代行サービスがあるところもありますが、長期的に見れば自社の社員が書いてノウハウを資産として貯めていったほうが良いように思います。

 

それにしても、「魅力的な求人原稿の書き方」って全然情報がないんですよね。各社のノウハウを聞いてみたいものです。

求人原稿をデータで管理する時代が来ることを切望する

コピペ・コピペ・コピペ!採用担当者を悩ます転職サイトの求人記事入稿

人事・採用担当者にとって重要な仕事の1つに、転職サイト、求人サイトの求人記事の執筆・管理があります。
ターゲット人材のペルソナを定め、自社で働く魅力が伝わりような、かつミスマッチが生まれないように表現する...人事の腕の見せ所ですね。

それはいいんです。新規で求人記事を書くのはクリエイティブで楽しい。今回取り上げたいのは、1度書いた求人記事の修正・他媒体への展開作業についてです。
募集背景を少し修正したい・配属チームに変更があった・求める人材の要件が変わった・会社の住所や資本金など基本情報が変わった...などなど、一度書いた求人原稿を修正したくなることは度々あります。
厄介なのは、ちょっとした修正であっても公開している全ての求人記事を修正しなければならないことです。

例えば貴方が、10コの求人媒体を使っていて、5つの職種を募集、1職種あたり2つの求人記事を作っていたとすると、10×5×2=100コの求人記事を管理していることになります(最近では同じ職種でも複数の求人記事を作成するのが主流となっています)
ある日、全ての求人記事に掲載していた「代表からのメッセージ」を変更したいと思い立ち、修正作業を始めるとすると......。

そう、100コの求人の管理画面を開き、ひたすらコピペを100回繰り返さなければならないのです。

ひ た す ら コ ピ ペ を 1 0 0 回 繰り返さなければならないのです。

大事なことなので2度言いました。

このコピペの作業がひたすらしんどい。必要なこととはいえ、頭が朦朧としてくるしctrキーを押さえる左手小指はつりそうになってくるし、自分は一体何の仕事をしてるんだっけ?と空しくなってきます。

HRTechが盛り上がって、エントリーシートや面接の判定をAIが担う未来が見えているこの時代において人事がこんな単純作業で疲弊をしていては絶対ダメだと思うのです。

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求人原稿はチューニングしていくもの

本来、効果的な求人記事にするために、記事の原稿は細かくチューニングしていくべきものです。特に変化の速い現在においては、社内の状況・求める人材像・ターゲット人材・プロダクトやサービスの状況など、日々変化しています。当然、これらが変化すれば求人記事の内容や表現も変えていく必要があります。

しかし、上述の通り、何か1つでも修正しようとすると、地獄の100回コピペ作業が待っています。これでは、記事をチューニングしてより良いものにしようというモチベーションが中々生まれません。

csvファイルで原稿をアップロードできれば解決

この、地獄のコピペ100回問題は、各求人サイトにcsvファイルで原稿をアップロードできる機能がついていれば回避できます。

「求人タイトル」「仕事内容」「募集背景」「必須スキル」「歓迎スキル」「配属先の環境」など、その求人サイトが定める形式のcsvファイルを用意して、それをアップロードすることで原稿の入稿・更新ができる機能さえあれば、ほとんどの問題が解決するのです。
人事は求人のマスタデータだけ用意しておき、あとは各サイトの形式に合わせてcsvファイルを作成すればいいだけです。管理する対象が100コの求人記事から、1つのマスタデータになり、求人原稿のメンテナンスが格段にしやすくなるはずです。

人材会社の皆さま、求人原稿をデータで管理する(私の)準備は万端です

ここからは、「求人サイトにcsvによる原稿アップロード機能がついたとして...」という前提で進めます。

csvファイルで求人原稿をアップロードできる機能さえあれば「ほとんどの問題」が解決できると書きましたが、実は1つ問題が残っています。

それは、求人マスタデータから各媒体ごとフォーマットへのcsvファイルへの変換作業が残る、ということです。

マスタデータを作っても、ある媒体は1つの項目に「仕事内容+求める人材」を要求してきたり、待遇表記が「年収●●万円」だったり「月給●●万円」だったりと様々です。
そういった求人サイトのクセに合わせて、求人マスターデータを求人サイトごとのcsvファイルに変換する必要が出てくるのです。

しかしご安心ください。その問題は既に(私の中では)解決しています。

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求人原稿をデータフィードで変換する

私の会社で出している「dfplus.io」というWebサービスがあります。
自社で保有する商品データを広告媒体に合わせて変換することで、商品データを用いた広告(データフィード広告)を出すことができる、セルフサーブ型のデータフィード管理ツールです。

dfplus.io

本来は広告運用担当者が広告配信のために使うツールですが、商品データ = 求人原稿データ、配信先の広告媒体 = 求人サイト と考えると求人原稿のデータもサイトに合わせて変換することが可能です。

利用ステップは下記のとおり。

  1. 求人マスタデータをdfplus.ioにアップロードする
    (後に変換しやすいよう、項目を細かく分けるのがコツ。後で項目と項目を足すことはできても、1つの項目を分割するのは難しい)
  2. 求人サイトごとにデータの変換ルールを作成する
    (求人サイトのクセに合わせて変換ルールを作る。年収表記→月給表記も、年収÷12、などのルールを設定しておけばOK)
  3. 変換した求人データをcsvファイルでダウンロードする
  4. 3でダウンロードしたファイルを求人サイトにアップロードして入稿
  5. 原稿の修正が発生したら、マスタデータを変更してdfplus.ioにアップロード→3,4のステップをするだけ
    変換ルールは作ってあるので、マスタデータの更新をしたらデータを吐き出して入稿するだけ

このとおり、求人原稿をデータで管理することの(私の)準備は万端です。あとは、各種求人サイトにデータアップロードによる入稿機能がつくだけです。

どうか、地獄のコピペ100回作業をなくして、人事が本来やるべき業務に集中できるよう、機能追加を検討いただけませんでしょうか。
あるいは、APIを公開いただければdfplus.ioに求人サイトへの配信機能が追加される...かも...??(適当)

 

↓人事がブラックに働きがちな要因についてまとめた記事もあります↓

nabeharu.hatenablog.com

人事・採用担当者が長時間労働に陥りやすい3つの理由と対策

採用担当者はブラック労働?!

全国の人事・採用担当者の皆さんこんにちは。
賞与計算・支給は無事終わりましたでしょうか。本来嬉しいはずの賞与の季節が憂鬱になるその気持ち、分かります。

さて、働き方改革がしきりと叫ばれる昨今ですが、私たち人事、特に採用担当者の働き方について考えてみようと思います。

ちょうど先日、パラレル経営者としてご活躍の石倉秀明さんが「採用担当者にこそ働き方改革を」というメッセージで日程調整ツール「Skett」をリリースされましたね。

hares.jp

私たち採用担当者は、長時間労働やサービス残業などであまり話題になりにくいですが、実際には多くの会社で採用担当者が長時間労働をしてしまっているようです(特に、リソースが少ないベンチャー企業の採用担当者は激務が予想されます)

本来、人事採用担当者は会社全体の働き方を考え、改善していかなければならないのに、自分たちは長時間働いてしまっているという矛盾を抱えてしまっています。

そういう私も、つい最近まで長時間労働をしてしまい、メンバーにもさせてしまっていたという反省の念も含めて、採用担当が長時間労働しやすい理由と対策についてまとめてみました。

採用担当者が長時間労働に陥りやすい理由

下記3つの理由で、採用担当者は構造的に長時間労働に陥りがちと考えています。

理由①:採用競争が激化・採用手法の多様化

1つ目の理由は、シンプルに業務量が増えていることです。
採用競争は激化の一途をたどり、優秀な人材を採用するために各社しのぎを削っており、よほどの人気企業でもなければ、ふつうに求人を出すだけでは求める応募は来ない状況にあります。

また、採用手法も加速度的に多様化しています。
ひと昔前であれば、中途採用ではリクナビNextなどの求人広告を出すか人材紹介会社に頼むかのほぼ2択でしたが、現在では「スカウト型転職サイト(しかも多数)」「Wantedlyなどの運用型採用メディア」「各種SNSの活用」「ダイレクトリクルーティング」「リファラルリクルーティング」「ミートアップなどのリアルの接触」「採用オウンドメディア」「自社で求人広告を運用」などなど、挙げればキリがないほどにとり得る手法が増えています。

当然、手法が増えたからといって人事部のリソースが増えるわけではないので、採用担当者の負担はどんどん重くなっています。

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理由②:働く時間をコントロールしづらい

採用担当者は、候補者と社員の日程を調整する立場にあるので、自分の都合で働く時間を決められません。
候補者が夜の時間帯しか予定が空いてなければ、夜遅い時間からでも面接対応を行うのが当然ですし、休日に採用イベントがあれば当然対応しなければなりません。

また、人事という特性上差し込み作業が多いのも特徴です。社員からの人事総務関連のちょっとした質問・対応によって業務が細切れになってしまうこともしばしば。
採用担当者の皆さんなら、面接調整の途中で話しかけられて思考が切断されてしまい、またイチから調整し直した経験がきっとあるはず。

働く時間を自分で選べず、差し込み業務が多いことが、長時間労働が常態化する一因であるといえそうです。

理由③:SOSの声が上がりづらい

最後に心情的な要因です。
上記のように明らかに長時間労働になりやすく、そしておそらく長時間労働をしているであろう採用担当者ですが、そのことがメディア等で取り上げられることはほとんどないように思います。その理由は、採用担当者が長時間労働のSOSを上げづらいからなのではと考えています。

採用担当者がSOSの声を上げづらい要因は2つ考えられます。
1つ目は、人事という立場上何となく言いづらいから。前述のとおり、採用担当者は本来であれば会社全体の働き方を改善する立場なので、「長時間労働で辛い」と何となく言いづらい。また、会社として長時間労働是正の施策を行うにしても自分たちのことは後回しにしてまずは現場から、となりやすいのではと想像しています。

もう1つの要因は、採用担当者自身が仕事を楽しくやっているから
採用業務は人と話す機会が多いこと、採用成功という比較的分かりやすい成果があること、そもそもモチベーションの高い人材がアサインされやすいこと、比較的若いメンバーがアサインされやすいこと、などから、長時間労働ではあるけれど楽しいので気にならない、というのはありそうです。
悪い言い方をすると、担当者のモチベーションに甘えて対策されてこなかったわけです。

採用担当者が長時間労働しないための対策

楽しんでいるなら長時間労働でもいい、という考え方をしていてはどこかで限界がくると思うので、構造上長時間労働になりやすい採用担当者がどうすれば労働時間を減らせるのかを考えてみました。

下記は、実際に私の会社で取り組んでいる対策です。
実際に取り組んでいることだけに、根本から問題を解決できるクリティカルなものではないですが、リアルな取り組みの一例として参考になれば幸いです。

対策①:1つの業務に集中する

できるだけ兼任しない

リソースの少ない中小・ベンチャー企業では採用担当専任ではなく、教育研修や人事制度・労務や総務等の他業務と兼任になっているケースが多くみられます。

しかし、基本的には人は兼務すればするほど効率が落ちていく生き物です。10のキャパを持っている人に2つの業務を兼務させても5+5=10の成果とはなりにくく、感覚値でいえば4+4の8くらい、3つ兼務させると2+2+2の6くらいしかパフォーマンスを発揮できないように思います。

とはいえ、急に完全に兼任をなくすのは不可能なので、「兼任は最大でも2つまで」というルールを決めました。
また、年間で3つの領域でやるべきことがある場合、3つすべてを少しずつ進めるのではなく、時期で区切って1つの領域に集中するように業務設計をしています。年間で見れば兼任はしていても、その瞬間でみれば1つの業務に集中できるようにしたわけです。

集中dayを設ける

社員からの日々の問い合わせ・要望に応えるのも人事の仕事である一方、それによって業務が細切れになって効率が落ちてしまう問題があります。
これを解決するため、自分の業務に集中できる集中dayを設けました。社員からの問い合わせ等に対応するメンバーを日替わりで決めて、それ以外のメンバーは集中できる場所で仕事をすることで、業務が細切れになることを極力防いでいます。

対策②:施策の撤退ラインを明確にする

先に述べたとおり、採用手法は加速度的に多様化しており、採るべき施策の選択肢は非常に増えています。
また、これらの新しい採用手法は、「やってみなくては分からない」「短期間では成果が出にくい」類のものが多いです。
こうなると、効果があるのかないのか分からない打ち手だけが膨大に増えてしまいます。

このように、新しい手法がどんどん増えていく現在だからこそ、撤退ラインを明確にしてから施策を始める必要があると思います。
私の会社では、1応募あたりにかける目安の時間を算出して、期待する時間対応募に満たない施策はやめる、という撤退ラインを決めています。

対策③:オペレーションをツールで効率化する

採用担当者の仕事は、「戦略・戦術立案」「面接・イベント」「オペレーション」の3つに大きく分けられます。
このうち、削減するべきはやはり面接日程調整等の「オペレーション」の時間です。

オペレーションの時間を削減するために、採用管理システムのTalentioを導入して、候補者管理・連絡・カレンダー登録などを一元管理しています。
↓Talentioにはユーザーインタビューしていただきました↓

corp.talentio.com

また、メンバーのタスク管理と人材会社とのやりとりにBacklogを使い、タスク進捗確認のコミュニケーションコストを下げています。

便利なツールを使うことで業務が加速することはまだまだあるはず!

モチベーションが高いからこそ短い時間で高い成果を

前述のとおり、多くの企業の採用担当者はモチベーション高く働いており、だからこそ長時間労働をしてしまっている現状があると思います。

モチベーション高く働いているのは素晴らしいことなので、だからこそ採用担当だから長時間労働は仕方がないと思わず、短い時間で高い成果を出せるように考え抜く必要があるのではと思います。

私自身もまだまだなので、日々精進です。

今更聞けないOKRのいろは!KPIとはどう違うの?導入のメリットと運用のポイントを解説してみた

GoogleやFacebookも採用する目標設定テクニック『OKR』

OKRという目標設定テクニックをご存知でしょうか?全てのビジネスパーソンにとって悩ましい、目標設定とその管理をシンプルに解決する考え方・テクニックです。
GoogleやFacebookも採用していることもあって、最近注目度が高まっていますね。

studyhacker.net

私の会社でも半年前から導入しており、半年間実際にOKRをベースにマネジメントしてみたので、OKRとは何なのか・OKR導入のメリット・運用で気を付けることについてまとめてみたいと思います。

OKRとは

改めてOKRとは、Objective and Key Resultの略で、目標と目標達成を測る主要な指標をリンクさせることで、組織と個人の向かう先とやるべきことを明確にするゴール設定テクニックのことです。

今年話題になった本『ハイアウトプットマネジメント』にもその原型が紹介されています。40年も前から今でも通用する手法を取り入れるインテルの先見性はすごいですね。 

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント

 

OKRでは、会社全体・部署ごとに「目標(Objective)」と「目標が達成しているかを示す指標(Key Result)」を定めます。このとき、必ず会社のKRと部署のObjectiveがリンクするようにします。図にすると下記のとおり。

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具体例をあげてみましょう。
例えば、ゲームアプリを開発している会社のOKRは下記のとおり設定できます。

【会社のOKR】
◆Objective(目標)
日本一遊ばれるゲームアプリを開発・提供することで、日本人の余暇をハッピーにする
◆Key Result(主な指標)
新規ダウンロード数前期比20%up
売上●円以上
1日のアクティブユーザ●人以上

【部署のOKR(開発チームを想定)】
◆Objective(目標)
日本一のユーザー体験を提供する
◆Key Result(主な指標)
ユーザのアクティブ率●%以上
アプリの稼働率●%以上
●月までに新規機能を2つリリースする 

 このように、部署ごとのOKRが達成されれば会社のOKRが達成されるように一貫性を持って設定します。
組織が目指す目標をObjectiveに置き、どうなればその目標を達成したといえるかの指標がKey Resultとなります。一般に、Objectiveは定性的な目標で良く、Key Resultは定量的・測定可能なものであるべきとされています。

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KPIとの違いは

目標設定のテクニックでよく使われるものにKPI(Key Performance Indicator)があります。目標達成のための中間指標を設けるという点では、OKRとKPIは一緒です。
OKRとKPIの違いは、 KPIは導入を部署単位で決めるのに対し、OKRは全社で導入することで、全部署・全社員を会社のObjectiveの達成に向かわせる点です。

全ての部署のObjective・Key Result(以下KR)が達成されれば、会社のObjectiveも達成されるように設計することで、全社員が会社の目指す目標へと向かいやすくなるわけです。

OKR導入のメリット

OKRを導入することで下記のメリットを期待できます。

メリット①:会社の目標と個人の活動のベクトルを合わせやすい

前述のとおり、部署ごとのOKRが達成されれば会社のObjectiveが達成されるようにOKRを設計します。すると、それぞれの部署や社員一人ひとりで取り組む仕事は異なっても、それらは全て会社のObjectiveを達成するための活動となるわけです。
社員の目線でいえば、今取り組んでいる仕事のその先にある会社の目標、ミッションを自然と意識することができるようになります。

メリット②:やるべきこと・やるべきでないことが明確になる

OKRは、設定するObjectiveやKRの数があまり多すぎるとうまくいきません。通常3つ前後が望ましいとされています。会社の目標達成のためにやるべきことを定めるということは、何をやらないと決めるかという意味でもあります。

Objective達成のために必要な少数のKRにフォーカスすることで、その期間に何をして、何をしないかを明確にすることができます。

メリット③:目標にメッセージを込められる

前述のとおり、Key Resultは定量的かつ測定可能な指標を設定する必要がありますが、Objectiveはその限りではありません。ここに、目標設定を通して会社のミッション・ビジョンを伝える余地が生まれます。

KRの「売上●●円以上」のその先には何を目指しているのか、どんな世界にしたいのか、というメッセージをObjectiveに込めることができるのです。

OKR運用のポイント

私の会社では、半年ほど前からOKRを用いた目標管理を実践しています。
下記は、実際に中途採用業務において設定したOKRです。

実際の人事チームのOKR(一部)

【チームのOKR】
◆Obvective
必要な人材を供給することで会社のビジョン達成を支援する
◆Key Result
中途採用●人

【メンバーのOKR】
◆Key Result
中途 面接供給 ●人
◆Key Action
スカウト送信 ●件
Wantedly 求人更新 1回/週
転職エージェントとのリレーション構築

中途採用の目標を達成するために必要な面接供給件数を設定し、それをメンバー個人のKey Resultにしました。Key Resultを達成するための具体的なActionをKey Actionとしています。
実際にOKRによる目標管理を実践してみて気づいた私なりのOKR運用のポイントを挙げてみます。

運用のポイント①:OKRの進捗を見える化する

OKRに限らず、目標管理において一番重要なのは目標を定めて終わりではなく、日常業務で常に意識できるような仕組みにしておくことだと思います。

半期に1度の評価面談のときにだけ目標を思い出すようでは全然ダメですし、今のKey Resultの進捗が順調なのかイマイチなのかくらいは即答できるくらいにしておく必要があります。

日常でOKRの進捗を意識できるように、チームのホワイトボードにOKRの進捗を書くようにしました。

メンバーのKRは面接供給数なので、面接を1件実施するたびに会社のマスコットキャラクターのマグネットシールを1枚貼るルールにしています。ホワイトボードは自席から見える位置にあるので、OKRが順調なのかそうでないのかは少し顔を上げるだけで見ることができます。

運用のポイント②:1on1 MtgでKR達成を支援する

毎週行っているメンバーとの1on1 Mtgで、KR達成のための不安や障害をヒアリングし、マネジャーとして支援できることはないかを考え、申し出ています。

OKRの進捗を管理するというよりは、一緒にOKRを達成できるように伴走するイメージです。

運用のポイント③:KR以外の仕事を整理する

人事の仕事は多岐に渡り、やりたいこと・やるべきことは山ほどあります。しかし当然ながら時間は有限ですので、やれることは限られています。

やるべきことにフォーカスすることで目標達成に最短で近づけるのがOKRの考え方でもあるので、定めたKR達成以外の仕事についてはマネジャーが責任を持って整理する必要があります。

「KR達成に直接結びつかない仕事」が発生した場合には、やるのかやらないのか・今すぐやるのか後回しにするのか、を整理してメンバーがKR達成に集中できるようにしています。
これは、事前に決めた仕事以外はしないということではなく、一番重要な仕事にフォーカスするべきという考えからです。

OKRは銀の弾丸ではない。本質を見極め適切に運用を

以上、OKRの基礎・KPIとの違い・導入のメリット・実際に運用してみて気づいたポイントについてまとめてきました。
まとめてみて改めて思いましたが、OKRは何かこれまでにない斬新な発想があるわけではなく、「会社の目指すものと各部署や個人でやることをリンクさせて目標を達成しましょう」というごく当たり前のことを仕組みにしたものです。
導入すれば全てうまくいく銀の弾丸ではありませんが、導入の目的とOKRの本質を理解して運用すれば、会社にとってもメンバーにとってもプラスになると感じています。

年度末の人事評価はもう時代遅れなのかもしれない

年度末の人事査定は時代遅れ?!

グローバルな先進企業の取り組み、有識者の見解、いくつかの文献と自分自身の体感値を合わせて、今後は半年や1年に1度の人事査定はなくなっていく流れになるのは間違いなさそうです。
今後、この流れを日本企業で・自社でどう取り入れていくかを考えるために現時点での私の考えをまとめてみました。

国内の本では下記を読めば潮流がある程度つかめます。

GEの9ブロックも廃止されていた!

人事査定といえばGEの9ブロックがまず思い出されます。分かりやすくてシンプルな仕組みで一世を風靡した9ブロックも気づいたら廃止されていたみたいです。他にも、マイクロソフト、デル、アクセンチュア、GAPなども先立って年次の評価制度廃止の流れなんだとか。

wirelesswire.jp

年度末の人事評価が機能しなくなる理由

1940年代から始まったとされる人事評価が何故廃止されつつあるのか。その理由とポイントを自分なりに3つにまとめてみました。

理由①:過去の評価・フィードバックが意味をなさないほど変化のスピードが速くなってきた

人事査定・人事評価は言うまでもなく過去の一定期間を評価するものです。その一定期間中の働きぶり・会社への貢献度などから評価・フィードバックを行うことで従業員の成長支援・動機づけを行うことが本来の目的のはずです。

しかし、現代のような変化が激しい経営環境においてはそういった過去へのフィードバックがうまく機能しないように思えます。

上司「あなたの3か月前の仕事に問題があったので改善してほしい」
部下「はぁ、頑張ります(今は全然違う仕事してるんだけど)」

なんてことも平気でありえます。

先進企業の取り組みや有識者の発言には「過去の成果よりも現在の成長支援・業務支援のほうが重要だから」という意見が多くみられるのは、前提として環境の変化の速さがあるように感じています。

逆に言えば、変化が少なく年次の振り返りフィードバックが次年度の業務に活かされるような環境下であれば、まだまだ年次評価は有効なのだと思います。

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理由②:継続的日常的なメンバー支援の重要性が高まっている

変化が激しく、半年や1年に1度のフィードバックではメンバーの支援がしづらくなっている現代では、継続的日常的なメンバー支援の重要性が高まっています。

Yahoo!を筆頭にマネジャーとメンバー間の1on1 Mtgを短いスパン(週1~隔週)で実施する企業が増えているのはこの流れですね。私の会社でも1年半ほど前からすべてのマネジャー⇔メンバー間で1on1を実施しています。

↓ついに1on1の書籍も出ましたね!↓

過去の一定期間の成果を評価してモチベーションを高めるのではなく、現在の業務支援・成長支援を継続的に行うほうが合理的という考え方は変化の速いIT企業を中心にどんどん広まっているようです。

理由③:マネジャーの負担が大きすぎる(しかも報われない)

メンバーの評価をつけたことのあるマネジャーの方なら実感いただけると思いますが、メンバーの評価をつけることはマネジャーにとってものすごく大変です。
評価期間中のメンバーの成果・勤務態度を思い出しながら不公平にならないように評価をつけます(期初に立てた目標が途中で変わっていることもしばしば)。そうして苦労してつけた評価結果をメンバーの志向・性格に合わせてフィードバックを行います。
メンバーの成長と給与に関わるものですから適当につけるわけにもいかず、苦労して評価をつけてフィードバックを行ってもそれが正しいものだったのかは誰も教えてくれません。業務の特性上他者からのアドバイスも受けづらく、改善もしづらいです。

しかも、これだけ苦労して評価とフィードバックを行っても理由①で書いたとおりメンバーの納得感は得づらく、メンバーからしても昔の仕事のフィードバックを受けても今後の仕事にどう活かせばいいか分からなかったり。報われませんね。

やはり、変化の激しい現代においては半年や1年ごとに評価をつけていくということ自体に無理がきているのかもしれません。

 

以上の3点が、私が認識している人事評価廃止の理由とポイントです。
有識者の見解では、上記に加えて「人事評価はチームワークを阻害する」という論調もあるようですがそれについては私は懐疑的で、企業文化や制度の設計・運用で避けうるものであって、人事評価自体が持つ問題ではないのではと考えています。 

継続的日常的メンバー支援と矛盾しない制度設計を

こうして書いてみると、年次の人事評価とメンバーの継続的日常的支援は完全に相反するものではなさそうです。

ただ、経営からの人材マネジメントのメッセージとして、過去を評価する人事評価と現在の業務支援・成長支援を行うことを同時にメッセージングすることは難しく、結果として人事評価は廃止という流れになっているのだと思います。
特にGEの9ブロックなどは制度が誰の目にも分かりやすいだけに、

  • 過去への評価なので今の成長につながりにくい
  • メンバーのランク付けに重きが置かれる(ように見える)

という負の側面が目立ち、現在の業務支援・成長支援をしていくというメッセージがぼやけるために廃止されたのだろうと想像しています。

人事評価を完全廃止するにしてもしないにしても、従業員の給与は何らかの方法で決定しなければなりませんから、メンバーの継続的日常的な業務支援・成長支援を行うというメッセージングと矛盾しない制度設計と運用が肝要なんだと思います。

まだまだ、各社試行錯誤している段階で理論もベストプラクティスもまとまってないようなので、各社ごとの勝ちパターンを見つけていくしかなさそうですね。
いつか、日本企業での事例共有会とかをしたいものです。

 

 (関連記事)

継続的日常的メンバー支援を前提としたシステムを探しているので書いた記事

nabeharu.hatenablog.com 

転職エージェントに良い人材を紹介してもらうポイントまとめ

いかにエージェントに良い人材を紹介してもらうか

ここ数年、ITベンチャー企業を中心に人材不足の状況が続き、各社の採用担当はそれぞれの工夫をこらして採用競争を闘っています。
ひと昔前では中途採用といえば求人媒体に広告を出して応募を待つというやり方が一般的でしたが、現在はダイレクトリクルーティング、リファラルリクルーティングなど様々な手法が生まれていますね。

わたしのブログの中では、ダイレクトリクルーティングに焦点をあてた記事を書いています。 

nabeharu.hatenablog.com

今回は、そういった流行りのやり方ではなく採用手法としてはごく一般的な、転職エージェントに良い人材を紹介してもらうためのポイントをまとめてみました。

尚、今回の記事は、ある大手転職エージェントで10年間務めている知り合いに3時間かけて話を聞いたこと + 自分自身のエージェントとしての経験をまとめたものです。
私の会社でもまだできていないことがたくさんあるので、これからやるぞという宣言も込めて書いてみました。

エージェント担当者の仕事を知る

まず前提ですが、転職エージェントの方は一緒に採用プロジェクトを成功させるための仲間でありパートナーです。良きパートナーとなってもらうには、エージェントで働く人の気持ちとなって考えることが第一歩。そのために、まずはエージェント担当者の仕事をおさらいしましょう。

通常、エージェントでは企業担当者と候補者担当者に役割が分けられます。

企業担当者の仕事

企業担当者(以下企業担当)は、紹介先企業の窓口となる役割です。私たち採用担当者が日常的にやり取りをしているのが企業担当ですね。

少なくとも10数社、多い場合は50社もの企業を担当し、企業から求める人材像をヒアリングし、社内の候補者担当(後述)に伝えることで人材のマッチングを行います。
候補者担当へ案件を紹介する手法は人や会社によってそれぞれですが、データベースへ登録するだけでは候補者担当は案件を認識してくれないので、メール・案件勉強会・候補者担当のデスクへ直接訪問などして、何とか候補者担当に担当案件を知ってもらう努力をすることになります。

自分が担当する企業に紹介した候補者が入社することで得られる成果報酬の金額が営業目標となります。

候補者担当者の仕事

候補者担当者(以下候補者担当)はその名のとおり、候補者(求職者)との窓口となります。
新規で登録する候補者にマッチする企業を紹介したり、過去登録した候補者に新規案件が出た際に紹介することでマッチングを行います。

企業担当と同様、自身が担当する候補者が入社することで得られる成果報酬の金額が営業目標となります。

 

会社によっては企業担当と候補者担当を分けずに1人で兼任するケースもありますが(両面とか両手とかいいます)、大手のエージェントであれば上記のとおり担当が分けられていることが一般的です。

以上から、候補者からの応募意思を受けるまでの情報の流れをまとめると下記のとおりです。

企業の採用担当→エージェントの企業担当→エージェントの候補者担当→候補者

自社の求人情報を候補者に知ってもらうには、このように情報が伝達されているわけです。この情報の流れをふまえたうえで、エージェントに良い人材を紹介してもらうためのポイントは下記の3点です。

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企業担当をやる気にさせる

まず企業とエージェントの窓口となる企業担当をやる気にさせることが第一です。この会社に候補者を紹介したいと思ってもらわなければ話は始まりません。
仕事なんだからやる気はあって当たり前だろうと考えられるかもしれませんが、ここでいうやる気は、(数多く持つ案件の中から)自社に候補者を紹介してもらうやる気」のことです。
上述のとおり、企業担当者は自分の担当する企業に紹介した成果報酬の金額で営業数値を持っています。営業数値を追いかける担当者の気持ちを考えれば当然、自身の営業目標の達成に近づくアクションから優先的にとります。もっと直截的にいえば、「決まりそうなイメージ」がわく企業に優先的に候補者を紹介するわけです。

エージェントに良い人材を紹介してもらうには、「自社に候補者を紹介すると決まりそう」とイメージしてもらうのが大事なわけです。
そのためのポイントは下記のとおりです。

企業担当をやる気にさせるポイント

  • 事業内容をしっかりと理解してもらう
    まずは基本ですが、事業の特徴・強み・他社との差別化・独自性などをしっかりと理解してもらいましょう。シンプルに「この会社良い会社だな!」と思ってもらうことが第一歩です。
  • 採用ポジションの意図と重要性を伝える
    自社の目指すミッション、戦略を伝え、その採用ポジションがどんな意味を持つかを伝えましょう。「欠員補充だから募集してます」よりも、「○○というミッション達成のために1年以内に●●事業を立ち上げる必要があり、そのための人材が必要。この事業が成功すれば▲▲の価値を生み出すことができます」と説明されるほうが誰だってやる気になります。
  • 募集ポジションごとの入社する理由を明確にする
    一番重要なポイントで、後にも出てきます。
    当たり前の話ですが、人は理由がなければ転職しません。応募する人材がどういう理由(仕事内容、裁量、給与、労働環境等)で転職する可能性がありそうかを明確に伝えましょう。

エージェントの方とのキックオフの打ち合わせにて上記をしっかり伝えて「この会社に紹介したい」と企業担当に思ってもらうことが第一のポイントです。

企業担当が候補者担当にアピールしやすくする

次のポイントは、候補者担当へのアピールです。
上述のとおり、企業担当→候補者担当→候補者へと情報は流れますので、候補者担当にいかに自社の案件を知ってもらうかが重要となります。
言い換えれば、企業担当が候補者担当にアピールするための武器を提供することがポイントです。

企業担当が候補者担当にアピールするための武器を提供

  • 定期的に案件情報をアップデートし、企業担当に伝える
    メール、電話などやり方は色々あるかと思いますが、自社の最新の案件情報を常にエージェントに伝えることが大事です。企業担当が候補者担当に案件を伝達するキッカケとするためにも1か月に1度は行いたいものです。
  • 案件情報・候補者への推しポイントを分かりやすい資料にする
    企業担当が候補者担当へアピールできるよう、会社概要・事業内容とその特徴・求める人材像・想定する応募理由などを分かりやすくまとめた資料を用意するとよさそうです。会社によってはその資料をそのまま候補者担当に展開してくれるでしょう。
  • 合格の理由・不合格の理由を明確に伝える
    エージェントを利用していて、最初から求める要件とピッタリ合った人材が紹介されることは滅多にありません。企業担当とコミュニケーションをとりながら求める人材イメージをチューニングしていくのが普通です。その際に、合否の理由が不明瞭なままだといつまで経ってもチューニングがされません。
    また、企業担当が候補者担当に不合格を伝える際に、「よく分からないけど不合格だった」となれば候補者担当はその企業に紹介する気がなくなってしまいます。逆に不合格であっても理由が明確であれば、「だったらあの人だったらマッチするかも」と別の候補者にアプローチしてくれるかもしれません。

企業担当とのキックオフの打ち合わせ後も、上記のとおり自社のことを継続的にアピールしていきましょう。

候補者担当が候補者にアピールしやすくする

最後に、候補者担当が候補者にアピールしやすくするポイントです。1つ前のポイントと同様に、候補者担当が候補者にアピールするための武器を用意してあげるという発想で考えてみます。

候補者担当が候補者にアピールするための武器を提供

  • 案件説明会を開く
    エージェントに訪問して、候補者担当に直接自社のアピールをするやり方です。企業担当者から又聞きするよりも、企業から直接話を聞くことでより深くその企業のことを知ってもらうことができます。
  • 求人票が全て
    職種によっては、1人の候補者に紹介する案件が20~30、それ以上ということもありえます。求人票の束がドサっと候補者に渡されるわけです(渡された経験あり)。その中から自社に応募してもらう意思を勝ち取らなければならないので、求人票はとても大事です。自社の魅力がしっかり伝わっているか・求人票を読んで応募する理由が明確に思い浮かぶか、改めて読み返してみるといいでしょう。

エージェントの気持ちを知り、良きパートナーとなる

以上、いかにエージェントの方に動きやすくなってもらうかという視点で、自分の考えるポイントをまとめました。

繰り返しになりますが、エージェントは単なる業者ではなく採用プロジェクトの仲間でありパートナーです。そして何より、1人の人間です。
エージェントの担当者の方が何を目指し、何をモチベーションにしているのか。どんな仕事をし、どういう情報があれば仕事をしやすいかを知ることが、エージェント活用の第一歩となるはずです。

さぁ、ウチも求人票の見直しから始めましょうか!

タレントマネジメントシステムに求める要件

自社の社員数も70人に迫り、そろそろタレントマネジメントシステムを導入しようかと検討しているので、その検討ポイントを自分用メモとしてまとめました。

自分用のメモではありますが、これからタレントマネジメントシステムの導入を検討している方にも参考になれば幸いです。

↓採用管理システム検討時の記事↓ 

nabeharu.hatenablog.com

拡大しつつあるタレントマネジメントシステム市場

採用管理システムほどではないにしても、タレントマネジメントシステムもクラウド型のサービスが一般化しつつあります。

it-trend.jp

価格帯はピンキリですが、私の会社のような従業員数100名以下くらいの規模で使うと、数万~十万円 / 月 くらいが相場感でしょうか。
各社によってサービスの思想や機能の特徴に違いがあるので、何を目的に、どんな機能が必要かを言語化しておこうと思います。

タレントマネジメントシステムで実現したいこと

まずは、タレントマネジメントシステムの導入に何を期待しているかをまとめてみます。大きく分けると、「人材管理」「継続的メンバー支援」「スムーズな評価」の3つです。

人材管理・組織

まずは管理・情報の整理蓄積としての機能を期待します。要素としては下記のとおり。

  • 社員情報と配属先、過去の評価などを一元管理したい
  • 組織図を分かりやすく見えるようにしたい
  • 会社のOKR、チームのOKRとその進捗を見える化したい

上の2つについては一般のタレントマネジメントシステムの基本機能で備えているとは思うのですが、OKRベースの管理手法に対応している国内のシステムは今のところほとんど見つかっていません。
↓OKRについては下記参照↓

hiromaeda.com

1on1Mtgによる継続的メンバー支援

私の会社では、マネジャーとメンバーの1on1Mtgが週1~隔週で行われています。
現在はOKRをベースとしたマネジメントに移行中で、うまくいけば1on1MtgでもOKRを基にメンバー支援が行われるようになります。
こういった支援がよりスムーズにするため、システムには下記が求められます。

  • メンバーごとのOKRの進捗を管理したい
    マネジャーもメンバーも、1on1Mtgの場でシステムを見ながらOKR進捗や今後のアクションプランなどのコミュニケーションができるようにしたい
  • 1on1Mtgによるメンバー支援とフィードバック内容を記録蓄積したい

OKRも1on1Mtgの面談結果蓄積についても、対応している国内のシステムは見たことがありません(泣)。
↓1on1Mtgについては下記参照↓

diamond.jp

スムーズな評価

上記で蓄積したデータを評価にスムーズに反映されるようにしたいです。
半年や1年に1度、マネジャーが半年も前のことを思い出しながら評価をひねり出すのではなくて、日常的に実施している1on1Mtgの内容を蓄積していくことのほうが、メンバーにとっても納得感があり、マネジャーの評価負担も軽減されると考えています。
となると、タレントマネジメントシステムに求める要件としては下記のとおり。

  • 上記で蓄積された1on1 Mtg の結果の蓄積が半期ごとの評価にいい感じに反映されるようにしたい
    (「いい感じに」の言語化がまだできていないです)

1on1Mtgの結果を蓄積していくシステム自体がないので、ましてやそれを評価に転用できるシステムにはもちろん出会ったことがありません。

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非日常の評価ではなく、日常的継続的メンバー支援がスタンダードに

タレントマネジメントシステムに求める要件を改めて言葉にしてまとめてみると、今時点で対応できるシステムはなさそうだな、という結論になりそうです。
(もし上記要件があてはまるシステムをご存知の方は教えてください!)

様々な文献、有識者の見解、先進企業の取り組みを見るに、今後の人材マネジメントは1年に1度の目標管理と評価面談という非日常で行うものではなく、1on1などの日常的な業務支援・育成支援を積み重ねていくという方向性になるのは間違いないと感じています。特に変化の激しい業界・企業においては。

↓9ブロックで有名なGEも、期間ごとのランク付けよりも日常的なメンバー支援に注力をしているようです↓

president.jp

現存しているタレントマネジメントシステムは、昔ながらのMBO(目標管理制度)に基づいたもので、メンバー支援というよりは人事の事務作業を減らすという思想で生まれているものが多いように感じます(それが悪いということではないです)
上記で述べたような、1on1Mtgをベースとした継続的日常的なメンバー支援をスムーズにする思想のサービスも今後きっと生まれるはずだと信じています。
自社のマネジメント思想にフィットしたサービスを使うことが一番で、フィットしないサービスを利用して運用でカバーとかはできるだけ避けたいと思っているので今時点ではシステム導入は様子見でいます。

余談になりますが、クラウドサービスを選ぶ際は機能や価格ももちろん大事ですが、そのサービスの思想も同じくらい大事だと考えています。
採用管理システムの選択の際には思想に共感したことも選択の大きな理由の1つでした。

nabeharu.hatenablog.com

採用管理システム同様、タレントマネジメントシステムについても「コレに決めた!」と言える日がきたらまた記事にしたいと思います。