読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

LIXIL八木副社長と楠木先生の熱い対談(HRカンファレンス2015春レポート)

人事 戦略

本日、HRカンファレンス2015春に参加してきました。

日本最大のHRイベント<テーマ>人・組織・経営のインタラクション

その中で、LIXILの八木さんと一橋大学教授の楠木先生との対談が、控えめに言ってめちゃ熱かったので概要と感想を記します。

まずはパネラー紹介から。

八木 洋介

日本GEでシニアHRマネジャーを務め、2012年に同じくGEの上席副社長だった藤森義明と共にLIXILに就任。人事担当副社長としてCEOの藤森氏と共にLIXILの変革に携わる。

私が最も注目、かつ尊敬している人事パーソン。

楠木 健

一橋大学教授。専攻は競争戦略とイノベーション。

優れた模倣困難な戦略は、いくつもの要素がつながりあったストーリーから生まれる、というストーリーとしての競争戦略がベストセラー。

話があけすけで面白く人気。私もファン。サイン入りの著書持ってます。

パネルディスカッション概要

楠木先生が質問して、八木さんがそれに答えていくスタイル。

全体的に和やかムードで笑いもたびたび起こっていた(やはり楠木先生しゃべりとファシリがうまい)

私がメモを取った中でのまとめなので、実際の発言と異なる場合がありますのでご了承ください。実際にはパネルディスカッションの前に八木さんから今後の人事戦略についてのプレゼンがあったのですが、ここでは割愛します。

Q.経営者、リーダーを育てる、というがどのように育てるのですか?
A.知恵と軸の2つを叩き込む。

何か決断しなければならなかったとして、100あるオプションを3~5つまではロジックで絞り込む。これは知恵の部分。定量的に測れるから分かりやすい。

3~5つまで絞り込み、正解が分からない中で決断してコミットするのが経営者、リーダーの役割。

最後の決断はロジックではなく、勘・価値観などになる。

その勘・価値観=判断の軸の重要性に気づいてもらうのための研修を行う。研修では軸を教えるわけではなく、そういったことを磨く必要があるんだな、と気づかせて自己学習のきっかけにしてもらうもの。

その人固有の軸を持っている人は魅力的だし、人もついてくる。自分でいえば、「人事管理より組織活性」という明確な軸を持っているから、人事施策を打つときにいい悪いの直感的な判断ができる。軸をもとに判断していくと直感も磨かれる。

Q.そういう軸・経営マインドを持った人はどのくらいの割合でいますか?
A.GEで1000人に1人程度。そのくらいいれば組織として勝てる。

将来有望そうな人に、前述の知恵と軸(の気づき)のシャワーを浴びせ続ける。

すると、1000人に1人くらいそういう決断ができる人が生まれる。20代からそういった研修を行い、実際にそういう軸を持てるようになるまでに10年はかかる。

Q.LIXILで3年やってみての手ごたえはいかがですか?
A.まだ途上ではあるが、受身ではなく自分でやろう、決めようという人が増えてきた手ごたえはある。

変革は実はとても簡単。正しいことであればみんなついてくる。社員のほとんどは普通の人であり、普通の人は正しいことが好き。

正しいと理解してもらえるよう、何故それをやる必要があるのか、ストーリーで語ることが大事。そうれうば反対する人などほとんどいない。

い。 

LIXILでは何も特別なことはしていない。当たり前のことだけ。年功制度を廃止し、仕事を任せるに相応しい人に仕事を与えた。次世代のリーダーを育てるために教育を始めた。たったそれだけのこと。

よく日本の労働環境や労働観・文化は特殊なので思い切ったことは無理という人がいるが、全くそんなことはない。終身雇用、年功序列などのいわゆる日本的人事マネジメントは、当時の経済環境下でそれが最も優れた戦略だったから選択されただけだ。文化でもなんでもない。たかだか20年、戦略として選ばれたものを文化だから変えられないというのは言い訳にすぎない。

Q.人事部は「人事のプロを目指す」という考えの人が多く、経営者を目指す人は少ないのではないでしょうか?
A.人事担当役員を目指すのではダメ。社長をやるための人事、という気持ちで。

私自身、いつでも社長をやるつもりでいる。藤森は辞めないけど(笑)。

社長をいつでも代わるつもりでやらないと、社長のことを聞くコマにしかなれない。上司や社長を尊敬しつつも、ライバルだと思って仕事をするべき。

感想

終了後、っぷはーーーーーー!と大きく息を吐きました。ほとんど息を止めて聞いていたくらい集中した、濃い時間でした。大きく感じたのは下記の2点

自分ができていなさすぎて耳が痛い

人事担当役員を目指すのではダメ、と言われてドキっとしました。「経営視点で人事を」とか口で言いながら、本当にそのつもりでいたか?と。

正直、今時点で社長のつもりで、とか社長をライバルと思う、というのは到底無理だけど、それを目指していかないと口だけになってしまう、と改めて感じました。

八木さんがカッコ良すぎる

「特別なことはしていない、当たり前のことをやっているだけ。改革は簡単、正しいことをやるだけ」にものすごい深みを感じました。

そこまで詳しいわけではないですが、伝え聞くLIXILでの改革の数々はどう考えても「ものすごいこと」できっと苦労や反発、プレッシャー等、私には想像できないようなことが色々あったはずなのに、「改革は簡単」とサラリと言えるその姿勢にクラリときました。

本家のGEの人事戦略も、LIXILで八木さんが実行していることも、確かに聞けば誰でも理解できる当たり前のことですが、それを本当に実行して結果を出す…言葉にならないほど尊敬します。

いつになく感情的になってしまうほど、良い場をいただきました。

↓八木さん、楠木先生の代表的な著書。オススメです↓