なべはるの人事徒然

フィードフォース人事の中の人。採用、教育、評価制度、組織活性など、日々考えていることを綴ります。現在人事で働いている方、人事の仕事に興味のある方、就職活動中の学生などに読んでいただけたら幸いです。

社会貢献志向は個人の欲求と考えるとしっくりくる

高まる社会貢献志向、戸惑う面接官

「会いに行けるベンチャー」で学生と話をしていると、「社会に貢献できる仕事がしたいです!!」という方によくお会いします。

リクルートワークス研究所によれば、2000年頃から若者の社会貢献志向が高まってきていて、東日本大震災以降その傾向が更に顕著になっているとのこと。

www.works-i.com

一方、面接をする企業側からすると、学生の社会貢献志向は概ね不評、あるいは戸惑いを感じているようです。

kenjasyukatsu.com

不評な意見をまとめると、大体下記のとおりです。

  • 企業はボランティア団体じゃない
  • 全ての企業は社会貢献しているのだから何も言ってないのと同じ
  • そんなに社会貢献したいならボランティアかNPOに行けばいい
  • 事業で利益に貢献できる人がほしいわけで、いきなりCSR部門の配属を希望されても困る

どれも正論で、ぐうの音も出ません。

でもそれじゃあ、社会貢献志向を持っている若者が悪いのかというとそんなはずはない、と思うのです。
面接でアピールするかどうかは別にして、社会貢献したい、という志向が悪いわけがありません。誰だって生きているからには社会に貢献したいと思うのが自然ですし、私だって社会貢献したいです。

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社会貢献志向は欲求

ここで整理したいのが、社会貢献志向は個人の欲求である、ということです。
マズローの5段階欲求説でいうところの、尊厳欲求・自己実現欲求ですね。

www.motivation-up.com

昔に比べて生存欲求が脅かされることが少なくなっているので、より高次元の欲求を満たしたい人が増えているという、とても自然な流れだと理解しています。

個人の欲求だから社会貢献の捉え方も人それぞれ

社会貢献というと利他的で自己を犠牲にしてでも、というニュアンスを感じますが、上記のとおり社会貢献志向は個人の欲求なのですから、その捉え方も人それぞれでいいはずです。

社会貢献志向の強い人だって、客観的に見て社会貢献度の高い仕事を選ぶわけではなく、自身の興味や適性・欲求に応じて仕事を選びます。
高齢者問題に関心があるから福祉事業を選ぶ人、IT大好きだからITで社会貢献したいと思う人、国際問題に興味があるからグローバル企業を選ぶ人、福岡が大好きだから福岡に貢献したい人等々…人それぞれです。

今の若者は欲がなくてケシカラン!なんていうダメなオジサンもいますが、ベクトルが異なるだけで結局は個人の欲求。そう考えると我々オジサンにとってもしっくりくるように思います。

社会貢献したいんです!と面接で言われたらどうするか

上記のとおり、社会貢献志向=個人の欲求だと思えば、社会貢献したいだけの学生はダメだ、なんて短絡的な結論をしなくてもすみます。その学生の個人的な欲求を掘り下げて聞いていけばいいのです。

  • その人にとっての社会貢献とは何か
  • それはどんな欲求から生まれているのか
  • 何故その欲求を持つに至ったか
  • その欲求を満たすにはどういう仕事や事業がいいのか、それが自社にマッチしているか

上記のような、割と普通の掘り下げをするだけで無理のないマッチング可否判断ができるはずです。

「社会貢献したいっす!」という学生に出会うと「うっ・・・」と引いてしまう気持ちはとても分かりますが、ぐっとこらえて欲求をじっくり聞いていくのがお互いのためになると思います。

社会貢献したい学生はどうするべきか

上記のとおり、企業側は社会貢献志向の学生を扱いかねています。
その主たる理由が、社会貢献志向が実際の仕事や事業とリンクできるまで考えられておらず、「言っているだけ社会貢献志向」の人が多いためです。

社会貢献したいんだ!だけでは何も言っていないのと同じです。とりあえず働きたい!と同じ意味くらいに聞こえます。
社会貢献したい、で思考停止になることが一番危険なので、下記をしっかり掘り下げて考えてみてください。

  • 自分にとっての社会貢献とは何か
  • それは自分のどんな欲求から生まれてきているのか
  • その欲求を持つに至ったきっかけや出来事は何なのか
  • その欲求を満たす仕事や事業とは何で、社会的ニーズや受けようとしている企業とマッチしているのか(視野が狭くならないよう注意)

これらをしっかり考えられていれば、おそらく社会貢献という言葉を使わなくても自分のやりたいことや目指す方向性を表現できるはずです。

大企業からベンチャー企業へ転職して1年で感じていること

今の会社に転職してちょうど1年が経ちました。はてなブログのトピックが「2015夏の人事」ということもあり、せっかくなので振り返ってみようと思います。

大企業からベンチャー企業へ転職した理由

前職の概要は下記のとおり。

従業員数:2000名
平均年令:42才
事業内容:業務システム開発。いわゆるSIer
担当業務:新卒採用担当、人事制度ちょっぴり
在籍期間:4年半

そして現職概要は下記。.

株式会社フィードフォース|feedforce Inc.
従業員数:30名(入社当時)
平均年令:32才
事業内容:マーケティングサービスの開発
担当業務:人事部立ち上げ、新卒・中途採用、制度企画、その他何でも
在籍期間:1年(在籍中)

従業員2,000人の会社から30人の会社へ転職した理由はただ1つ。

より経営視点で人事の仕事をしたかったから。

前職でも頑張って役職を上げていけば経営に近い仕事に携われた可能性もありましたが、どんなに最短で出世してもそういった仕事ができるのは40才前後。
それでも40才になってそういう仕事ができるならいいけど、もし40才手前で会社がなくなってしまったら、「大した経験もしていない40才のおれ」が社会に放り出されることになります。
自分の力不足で出世できないのは仕方ないから我慢できるけど、自分の力とは関係のない要因で自分の人生が決定的に左右されるのは我慢できない、と感じて転職を決意しました。

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大企業で働くメリット

ベンチャー企業で働く選択をしたわけですが、大企業だから経験できたこと、良かったこともたくさんありました。

福利厚生が充実している/オフィス設備が充実している

やっぱり大企業だけあって、福利厚生やオフィス環境は優れていました。
福利厚生だけでも、家賃手当て・ローン手当て・扶養手当・年金退職金制度・出張手当・食費手当て等々…山盛りでありました。
きれいなオフィスに什器、喫煙室に休憩スペースにレーザープリンターと、設備面で不満を感じたことはなかったです。
一方、以前書いた記事「通勤手当は何のため?福利厚生の意味を考えてみた」にも書いたとおり、メッセージ性の強い福利厚生制度はあまりなかったように感じました。

人生の先輩がたくさんいる/将来の収入が読みやすい

業暦50年、平均年令42才の会社でしたから、人生の先輩はたくさんいました。
中でも、新卒で入社して管理部門一筋30年弱の大先輩の定年退職の場に立ち会えたのはとても良かったです。
正直、今の私には同じ企業で30年勤めあげる心境は想像すらできません。そういった場に立ち会えるのは歴史のある大企業ならではでした。

また、職場内に各年令の先輩上司がたくさんいますので、どのくらいの年令でどの程度の収入を得られるかのイメージがつきやすいというのも、将来設計をする点では良かった点でした。

大企業ならではの人事課題に直面することができた

大企業を経験して特に良かったと感じているのがこの点です。
課題の一例を挙げると、

  • 年功賃金から実力主義の賃金へのシフト
  • 定年後再雇用
  • 労働組合との春季交渉
  • 中年社員のスキルアンマッチ などなど

どれも一定期間優良企業として成功してきたからこそ起こる問題。この問題の片鱗だけでも経験できたのは人事の経験としてとても貴重でした。 

ベンチャー企業で働くメリット

ベンチャー企業に転職してみて、改めて良かったと実感しているのは下記です。

裁量が大きい/経営に直結した仕事ができる/自分の頑張りが組織の成長に直結する

何しろこれまで人事部がない状態で入社したので、何をするにも自分しだいです。自分がやらなきゃ誰がやる、という状態なので「裁量の大きさ」という言葉を意識することすらなくなりました。

また、組織的な課題のほとんど全てが人事に関わるものなので、経営に直結した仕事をしていることを実感することができています。
自分が頑張れば会社が成長するし、自分がダメだと会社の成長スピードも鈍化してしまう…自分の行動が組織への貢献に直結しているので、プレッシャーがあると共にやりがいを感じやすいです。

新しいこと、チャレンジが奨励される

個別の企業にもよると思いますが、大企業とベンチャー企業では、新しいことに対しての捉え方が全く異なります。
現職では、何か新しい取り組みには「まずやってみよう」という文化が浸透しており、新しいチャレンジをドンドンやりたい自分にはとてもやりやすいです。
新しい企画を通すときに課長と部長と事業部長と本部長の決済をもらっていた前職とは雲泥の差です。
最近知ったのですが、こうした新しいことをどんどん現場の判断でチャレンジしよう、というのを言葉にすると「許可より謝罪」というらしいです。下記けんすうさんのブログはものすごく共感します。

blog.livedoor.jp

経営陣、従業員が勉強熱心 

これも企業ごとの差があると思いますが、やはりベンチャー企業の社員は主体性が高く、勉強熱心な人が多いように感じます。
それぞれの社員がそれぞれの領域で情報収集やスキルアップを怠らずに専門性を伸ばそうとしているので、自分は人事の領域で専門性を伸ばして会社に貢献しようという気持ちに自然になります

その会社が嫌になったから転職するわけではない

↓の記事にあるように、転職というとネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかと思います。

economic.jp

しかし、上記に挙げたとおり私自身、前職にも現職にもそれぞれ良いところがあると認めたうえで転職しています。
勤めている会社が嫌になった、嫌いになったという理由ではなく、自分の人生設計とその会社の方向性を照らし合わせたうえでより良いと思われる選択をしたに過ぎません。

安易な転職は不幸な結果に終わる可能性が高いですが、キャリアの選択肢として転職が当たり前にある状態のほうが企業にとっても個人にとっても健全なのでは?と考えていたりします。

という訳で(?)フィードフォースでも人材絶賛募集中です。興味のある方はご連絡ください。※ステ(ルスされてない)

recruit.feedforce.jp

追記)

転職して2年経った時点のブログも書きました。

nabeharu.hatenablog.com

学生支援の甘いワナ

あふれる学生支援

就職活動が長期化複雑化する中で、学生支援団体や企業・個人が増えています。

<街なかのキャリアセンター キャリぷら の紹介記事>

キャリぷらのように就職活動やキャリアの相談に乗ってくれる施設や「内定塾・就活塾」といったセミナー型の支援、社会人との接点をつなぐ個人や団体など様々な学生支援が存在しています。

将来の進路や就職に悩んでいる学生を導き、解決のヒントを与える…活動自体はもちろん素晴らしいのですが、気をつけていないとハマってしまうワナがあると考えています。

それは、「学生支援をしていると支援者の成長が止まる、あるいは鈍化しやすい」ということです。

学生支援を行っている方に悪感情があるわけでは全くなく、自分自身が一度陥ってしまったワナなので自虐の意味も含めて共有・公開しようと思った次第です。

学生支援の定義

学生支援にも色々ありますが、ここでは生計の立て方が下記のいずれかの場合とします。

  • 学校からお金をもらう
  • 学生からお金をもらう
  • 無償、ボランティア

上記の他に、「企業からお金をもらう」という選択肢もあるかと思いますが、それはマッチングによる人材ビジネスであって本ブログでいうところの学生支援の趣旨とは異なるので除外しています。

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学生支援者の成長が止まりやすい4つの理由

いよいよ本題です。何故学生支援をしていると成長が止まる、あるいは鈍化しやすいのか。それは、学生支援ならではの環境に理由があります。

対象が毎年入れ替わる = 成長の鈍化に気づきにくい

就職活動を行う学生というのは基本的に毎年変わります。つまり、1年ごとに対象がリセットされ、相手にするのは就職活動やキャリアに関する初心者のみとなります。

これはビジネスの現場からするとかなり特殊です。BtoBであれば顧客はころころ変わったりしませんし、BtoCであっても顧客も商品のことを調べてきていますので、こちらが勉強不足で的外れな発言をしようものなら、厳しく指摘されます。

学生支援の場合はこういった緊張関係が基本的に成立しません。対象となる学生は常に就職活動や面接の素人。仮にこちらが少しばかり間違ったことを言っても、そんなものかと納得されてしまいます。このような環境下だと、よっぽど気をつけていないと新しいことを貪欲に吸収しなくなってしまいます。

成果を求められない、成果を測りにくい = 内省の機会を得づらい

就職活動というのは基本的に正解がありません。

その学生の能力、これまでの経験、志向性、志望業界や企業の採用意欲、求める素養など、様々な要素が複雑に絡んできます。

仮に「出会った学生の就職活動を成功させる」ことを成果として設定したとしても、何をもって成功とするのか、成功したとしてもそれは支援者のおかげなのかは全く分かりませんし、そもそもそこまでシビアな成果の設定はされません(シビアに成果を設定するべきでもないでしょう)

「受講学生の60%以上を偏差値60以上の大学に合格させる」など具体的で分かりやすい目標設定ができる塾・予備校講師とはこの点が大きく異なります。

成果を具体的に求められないため、通常のビジネスの現場で行われる内省の機会が得づらいのが、学生支援者が成長しづらい理由の2つ目です。

支援を必要とする人だけが学生支援の対象となる = 刺激を受けにくい

当たり前のことを言っていますが大事なポイントです。

通常の学生支援は、支援が必要な人が対象です。逆に言えば、学生支援者は支援が必要でない人には会うことはできません。

支援が必要な人、必要でない人がそれぞれどういう人かを乱暴に分けると下記のようになります。

支援が必要な人=就職活動がうまくいっていない、自分に自信がない

支援を必要としていない人=就職活動がうまくいっている、自分に自信がある、世間的に見て優秀層

 つまり、学生支援者が接する学生のほとんどが、就職活動がうまくいっていないか自分に自信がない人です。逆に言えば、(あまり好きな言葉ではないですが)いわゆる優秀層とは中々出会えません。そもそも彼らは支援を必要としていないですから。

人の成長には、間違いなく普段接する人からの影響が大きいです。

ものすごく優秀で志が高く、努力を惜しまない人と接していると自分も刺激されて努力するようになります。

学生支援者は必然的に「この人すごいな!」という人と接する機会=刺激を受けて成長のきっかけとする機会が少なくなってしまうのです。

学生の相談に乗ることは気持ちいい = 無自覚のうちに自身の努力に目がいかなくなる

最後に、これも冗談ではなく大事なことです。

学生の就職相談に乗ったことのある方なら気持ちが分かるのではと思いますが、学生の相談に乗るのは気持ちいいです、ものすごく。

学生の悩みを聞き、自分なりの経験や知識をもとにアドバイスなり考える視点なりを提供する…相談に来るほとんどすべての学生は自分より知識も経験も少ないですから、とても熱心に自分の話を聞いてくれて、お礼まで言われる。後日、学生が「おかげで面接合格しました!ありがとうございます!」と報告に来てくれる…。

承認欲求、対話欲求、貢献欲求…様々な欲求が同時に満たされますので、気持ちよくて当たり前です。

少し意地の悪い言い方をすると、支援者に大した能力や経験がなくても、学生から見ると「社会に出ているすごい人」に見えるので、普段の仕事は全然うまくいってなくとも学生支援では上記のような欲求が満たされてしまいます。

支援者の欲求が満たされ、かつ学生のためになっているので、これ自体に問題があるわけではありません。しかし、上記にあげている他の理由と組み合わさると、支援自体が気持ちいいばかりに自身の成長に力を向けづらくなってしまいます。だってそんな努力しなくても支援は気持ちいいから(私自身そんな経験があります)

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ワナに陥らないために

繰り返しになりますが、学生支援をしている方に悪感情があるわけでも特定のどなたかを批判したいわけでもなく、学生支援は成長を止めやすい特殊な環境であることを言いたいわけです。

こういったワナに陥らないようにするために色々と心がけることはありますが、一番は、

すごい学生と定期的に会う

ことだと考えています。

自ら考え行動しているすごい学生は山ほどいますが、学生支援の場では中々会うことができません。

自分から機会を作って、すごい学生がいる場所に赴き、刺激を受けましょう。

そこで、「学生の割にはすごいな」とか「将来が楽しみだな」などの上から目線の感想が出てくるようでは黄信号です。学生支援のワナにハマりつつあります。

世の中には、ハタチそこそこでも既に我々一般人の枠を大きく超えた能力や経験を積んでいる学生がたくさんいます。そうした学生に出会い、「何だこいつすげえ!ちくしょう、負けるかこんにゃろ!」とライバル視できるようになるのが健全だと思います。

 

というわけで、明日もすごい学生に出会いに行ってきます!

転職を決めるその前に!した方がいい苦労としなくてもいい苦労

5月です。5月病の季節ですね。

という訳で(?)今日は転職の話です。

5月病患者を集めたいわけではないでしょうが、博報堂が期間限定で第二新卒の募集を始めたようです。

www.hakuhodo.co.jp

社会人1~5年目が対象のこと(結構幅広いですね)

新卒で入社した会社に数年勤めていれば、仕事もある程度一人でできるようになり、その会社の良いところ悪いところも見えてきます。

中には、その会社でのキャリアに不安を感じていたり、こんなキツい会社は嫌だ!と転職を検討し始める人もいることでしょう。

私自身、2度の転職を経験していますので、転職自体が悪いことだとは全く思いませんし、転職することでより良い人生を送っている人をたくさん見ています(私自身がそうです。会社が嫌で辞めたことはありませんが)

だから、「石の上にも3年」とか「望まない仕事でも我慢してやるべき」みたいなことはあまり言いたくはないのですが・・・最近、したほうがいい苦労としなくてもいい苦労があるんじゃないかな、と考えるようになりました。

もし現在不満を持っている環境が、したほうがいい種類の苦労なのであれば、本当に転職したほうが幸せになれるのか、考え直してもいいかもしれません。

ココでは私の独断と偏見で、したほうがいい苦労としなくてもいい苦労を分類してみました。

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したほうがいい苦労

できるだけ経験したほうがいい苦労、もしくは一見マイナスだけど長い目で見れば良い経験となりうる苦労が下記です。

仕事の難易度が高い

自分の力量に対して明らかにレベルの高い仕事に取り組まなければならないことがあります。

当然、すぐに成果は上がらないでしょうし、必然的に業務量も増えて肉体的精神的にキツい毎日が続くでしょう。しかし、成長にはそのストレッチが必須ですので、すぐに逃げずに立ち向かいたいものです。

ただし、健康を害するレベルでの長時間労働が継続して起こってしまう場合は例外です。健康第一。

上司がイケてない

短期的に見れば、イケてない上司を持つ経験はプラスになると思います。

なぜイケてないのか反面教師にすることができますし、そういった上司に自分の意見を通そうと試行錯誤することはプラスになります。

健全な組織であれば、本当に無能な上司があなたの上にずっと就くことはないでしょう。しかし、明らかに無能な上司がいつまでも重要ポストについているような組織であれば長く我慢する必要はないかもしれません。

会社の業績が悪い

望んでこの苦労をしたい人はいないと思いますが、短期的な意味では経験してみてもいいかもしれません。会社の業績が悪いときこそ経営者や社員の真価が問われます。

どうすれば業績を回復できるのか、突破口をどこに見出すか、社内の雰囲気が悪くなる中で自分に何ができるのか。会社の業績が悪いからこそ当事者意識を持って本気でこれらに頭を悩ますことができる、という意味で良い経験となることでしょう。

しなくてもいい苦労

苦労する割に得られるものが少ないであろうものが下記です。

会社のビジョンが不明瞭、自分に合わない

会社のビジョンが不明瞭だったり共感できないビジョンのもとで働くことに苦痛に感じる場合、それは我慢せずに新天地を探してみてもいいかもしれません。

そのような環境下ではいくら頑張っても空回りする可能性が高く、そもそもどの方向に向けて頑張ればいいかも分からず、志のある人ほど辛いという状況になってしまいます。

権力・派閥争い、ゴマすり

これらが組織に根付いていて、かつそれを苦痛に感じるのであれば我慢しなくてもいいでしょう。

社内の派閥抗争を読みきり渡り合う力をつけたところでごく限られた環境下でしか役に立ちません。

自分のキャリアプランに合わない 

キャリアプランが明確な方限定です。

会社のビジョンに共感でき、無駄な派閥争いもなく風通しが良い社風であったとしても、長期的に見て自身のキャリアプランと明らかに異なる仕事しかできない、求める成長スピードに遅れてしまう、という場合であれば転職を検討するのも手かもしれません。

ただし、自分にとっては遠回りだったり無駄に感じる経験も、将来どこで生きてくるか分かりません。

そもそも今描いているキャリアプランが本当に確信を持てるものなのかも含めて慎重に判断しましょう。

 

もし現在の会社や仕事に疑問を感じて苦労しているなら、その苦労はしたほうがいい種類の苦労なのか、しなくてもいい苦労なのか、上記を参考にしてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

新卒で人事に配属されないほうがいい

人事部は人気部署?

4月です。

新入社員の配属と異動の季節ですね。

この記事によると、社会人1年目、2年目の配属希望では人事部が3位のようです。

ちなみに1位は総務部。うーん、意外ですね。

で、実際学生や若手社員と話をしていても、人事希望だという人は多く、実感値としても人気職種なのは間違いないようです。

なお、ココでいう「人事やりたい」は90%が「採用やりたい」とイコールです。

それ以外の教育やら労務やら制度やら年金、退職金やらはスルーで、イメージだけで希望しているわけですがそこに触れると長くなりますのでココでは置いておきます。

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新卒ですぐに人事に配属されないほうがいい

持論なのですが、新卒ですぐに人事に配属されないほうがいいと考えています。

論理的なものではなく、感情的かつ昭和な発想ではあるのですが。

ココでは、新卒後すぐに人事に配属されることの弊害をあげます。

顧客と本気で向き合う経験が積めない

どんな会社に入ろうとも、どんな職業に就こうとも、顧客と本気で向き合う経験というのは必須だと考えています。

  • 顧客は何を課題と捉えているのか
  • 何故自分に発注してくれたのか、してくれなかったのか
  • 何故喜んでくれたのか、喜んでくれなかったのか

現場での実務経験がないと、これらの経験をリアルな体験として積むことができません。

顧客の課題はコレだなとか、こういう営業をすると発注してくれる、など知識として知っていても、実態の経験として積んでいるのといないのとでは大違いです。

本気で頭を下げる経験を積めない

1つめと同じ考え方なのですが、ビジネスの最先端の現場で活動していれば、どんな人でも必ず何かしらの失敗をします。

顧客と本気で向き合っていれば、心の底から謝罪の気持ちがわいてきます。土下座したくなる心境になることもあるでしょうし、実際に土下座したことのある人もいるでしょう(私もあります)

逆に、心から顧客に感謝し、足を向けて寝られない、という心境になることもあります。

人事として仕事をしていると、なかなかこの経験ができません。

人事部員が向き合う利害関係者は以下のとおり。

  • 自社の社員(顧客ではあるけれど上記のような関係性にはなりづらい)
  • 自社の経営者(同上)
  • 人材サービス提供会社(こちらが発注側なので逆に頭を下げられる)
  • 求職者、応募学生(顧客という見方もできるが、お金をいただくわけではない)
  • 学校関係者(営業に行くという意味では顧客だが、先方からしても自学校の学生を採用してもらいたいので頭を下げてくる)

このとおり、実際のビジネスの現場での関係性は築きづらいのが人事担当者です。

ともすると、利害関係者のほとんどが頭を下げてくることから、「自分は偉いんだ」と勘違いしてしまうリスクすらはらんでいます。

自信を持てない

上記2点について、新卒で人事に配属された人はおぼろげながら感じているはずです。

だからこそそれが負い目になって、採用・研修その他の場所での発言に自信と実感値が伴わない。当然できる活躍も限定的になり、キャリアも成長もこじんまりとしたものになってしまう。。。ということがありがちです。

現場の経験がない→自信が持てない→存分に力を発揮できない→ますます自信が持てない

という悪循環に陥ってしまう可能性もあります。

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新卒後すぐに人事に配属されている人はどうするべきか

ここまで書いておいてなんですが、新卒で人事に配属されている人でもデキる人はたくさんいます。

逆に、現場での経験を十分に積んでから人事になった人でもイマイチな人もたくさんいます。

この経験がないと絶対ダメ、ということではなく、どの経験でも主体的に取り組んで自分の糧とできるかどうかが一番です。

だからこそ、現場の経験がなくてイマイチ自分の仕事に自信を持てない方は、以下のことを実践して自信をつけていただきたいです。

社外の人と積極的に関わる

特に大企業勤務の人事の場合、普段接するのが人事部の同僚のみ、なんてこともままあります。

極めて狭い世界の、極めて狭い範囲内の人間関係しか経験せずに自社を客観的に見ることは不可能ですから、社外の人、それもできるだけ様々な業種・職種・年齢の人と積極的に関わるようにしましょう。

顧客の気持ちを考える、知る努力をする

直接経験をしていないにしても、顧客の気持ちを推し量ることはできます。

顧客の気持ちを知る努力を必ずしましょう。自分だけでは難しいようであれば、自社の社員に協力してもらい、営業やコンペに同行するなど、できるだけビジネスのリアルを体感しましょう。

自分の肩書きを外したときに何が残るかを想像する

例えば今日営業に来てくれた人材会社の営業マン、例えば昨日訪問した大学の教授。彼らは、あなたの何に期待して頭を下げ、丁寧に接してくれるのでしょうか。

それはきっと、あなたの「○○会社 人事担当」という肩書きにです。この肩書きがなくなったときもお付き合いいただけるほどの人間関係を築けているか、振り返ってみましょう。

 

人事を続けるにしろ、将来別の職種へキャリアチェンジするにせよ、上記3つを意識して人事としての経験を積むことはきっとプラスになるはずです。

転職を考えてない人も今すぐ職務経歴書を書くべき3つの理由

何となくそれっぽいタイトルにしてみました。

この時期、TVCMや電車内、SNSなどに転職サイト・求人サイトの広告が多いですね。

↓コレとか好きです↓

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私自身、2度の転職経験がありますので、これらの転職サイトや紹介会社にはお世話になりました。

学生時代の友人は新卒で入った会社を辞めずに勤めている人が多いので、2度も転職をしている私は珍しい目で見られたりします。

ここでは転職の良し悪しは置いておいて、転職を考えている人もそうでない人も、職務経歴書は定期的に書いておいたほうがいいという話です。

職務経歴書とは何か

コトバンクによると、

・これまで自分が経験してきた職務内容や所属していた会社についてをまとめた書類

・転職希望者が採用担当者に提出する

とのこと。

履歴書と違って、自身の仕事内容や成果を詳細に書くことで自分をアピールするのが目的ですね。

転職を考えていない方も、一度は書いてみることをオススメします。一度書いたことのある方は、1年に一度はアップデートをしましょう。

職務経歴書を書くべき3つの理由

1.自分の強みと課題を再認識できる

この職務経歴書、書いてみると意外と難しいです。

まず、「採用したい!」と思われるような職務経歴書を書くには、

  • 自分の仕事内容とその成果を人に分かりやすく説明する
  • そのうえで他者にはない自分なりの強みをアピールする

この2つのポイントを押さえる必要があります。

そのためには、

  • 自分の仕事を客観視する
  • 普段から主体的に仕事に取り組んでいる
  • そもそも成果をしっかりあげている

などなど、普段の仕事をしっかりしていないと、「アピールするものがない!」ということになります。

いざ書いてみると、今の自分に足りないものが明確になったり、1年前の自分から何も成長していないなー、と落ち込んだりと、色々あるかと思いますが、今の自分を見つめなおすのが成長の第一歩!まずは書いてみましょう。

2.市場価値を測ることができる

採用される職務経歴書を書くには、企業がどんな人を必要としているかを把握しなければなりません。

例えば人事としての転職だったら、採用か、育成か、労務か、人事制度か。

採用1つとってみても、新卒か中途か、採用職種は何か、採用手法、採用人数etc...

その中で、どんなスキルや経験を持っている人が必要とされるのか、という市場価値感覚を養うことができます。

市場価値を高めることがいつも正しいことではありませんが、市場価値感覚を持っておくことは転職する気のない方でも持っておいたほうがいいでしょう。

3.いざ転職を考えたときにすぐに行動できる

1つ目の理由でも書いたとおり、職務経歴書を書くのは結構大変です。

最近取り組んだ仕事ならすらすら書けても、5年前の仕事の成果を客観的かつ詳細に書くのは中々難しい。

転職は縁とタイミングです。いざ転職を決意したときにイチから書こうとして時間がかかり、そのせいでせっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。

定期的にアップデートしておけば、思い出しやすい最近のことをだけ修正すればOK。

職務経歴書を書いてみよう

自分のしてきた仕事と成果を振り返り、市場価値を測り、来たるチャンスを逃さないため、職務経歴書を書いてみてはいかがでしょうか。

私自身、1年に一度はアップデートして仕事の振り返り、棚卸しを行っています。

(たいてい、自分はこの1年何をしてたんだとヘコむことになります)

最近では職種別の職務経歴書サンプルなどもありますので、書き方が分からない!という方は参考にどうぞ。